鉄人玉鷲が40歳の誕生日飾る「新しく化けてもっと強くなる」 福岡・朝倉への感謝も【大相撲九州場所】
◆大相撲九州場所7日目・玉鷲(押し倒し)翠富士(16日、福岡国際センター) 40歳の誕生日を堂々の白星で飾った。玉鷲は「予想していなかった」という翠富士の変化に動じず、突き起こしてから押し倒し。「自分へのお祝いです。とても良かった」。いずれも現役最多の通算832勝目、幕内649勝目を挙げた不惑の鉄人から笑みが絶えなかった。 ■発生率0.01%の大技【動画】 土俵入り、仕切りから祝福の声援を受けた。「長くやってきて良かった。このまま自分の相撲をしっかり取って、お客さんを喜ばせたい」と誓う。2度の優勝を誇る実力者は「まだ成長中」と自負。三役復帰への意欲を問われると「その気持ちはある」。八角理事長(元横綱北勝海)は「体が丈夫だし、気力がある」とたたえた。 玉鷲と九州場所といえば、所属の片男波部屋が宿舎を構える福岡県朝倉市との絆。2017年の九州豪雨で大きな被害を受けた市民を激励してきた。親善大使を務めて第二の故郷と位置づける同市に「厚いつながりがある。勝って少しでも感謝の心を伝えたい」と改めて頭を下げた。 秋場所で歴代1位に達した初土俵からの連続出場は1650回に伸びた。40歳以上の幕内力士は旭天鵬(現大島親方)以来で昭和以降6人目。「新しく化けて、もっと強くなりたい。人間はどこまで成長するのか。できるというところを見せたい」。意欲はまだまだ衰えない。(林原弘)
西日本新聞社