4th写真集は自然体で…大久保桜子、芸能界から逃げ出したかった過去、変えたのはひとつの出会い
転機は恋愛リアリティショーへの出演
──今回の写真集は「人 隣」というタイトルですが、大久保さんの“人となり”は、これまでの活動を通してどう変化しましたか。 大久保 少し自分の心に余裕ができてきたというところはあります。今までは「頑張らなくちゃ」と一生懸命になりすぎていた自分もいて、「少しぐらい力を抜いてもいいんじゃないかな」と思い始めてからは、心に余裕ができました。「常に完璧な自分を見せよう」と意識しなくても、人間だし、あくびだってする。そうやってあまり気を張りすぎなくてもいいんじゃないかなと思えるようになりました。客観的に物事を捉えられるようになってから視野が広がったというか、成長できたのかなと思います。 ──「完璧な自分を見せよう」と頑張りすぎていたのは、芸能界という環境に身を置いていたからでしょうか。 大久保 そうですね。高校生で急に戦隊モノのヒロインになったことで、自分の言動一つ一つが世の中に影響を与えることがあるような立場に、あまり段階を踏まずになってしまったことに、気持ちが追いついていない時期があったんです。「芸能界を辞めてパン屋さんになりたい」「海外行きたい」「大学生になりたい」というように、自分のやりたいこともたくさんありました。その後には、「このお仕事をするなら誰に対しても完璧な自分でいなきゃ」と思ったタイミングもあって、その期間は苦しかったです。さらにその後、「ちょっと力を抜いてもいいのかな」と気付いてからは、すごく生活しやすくなりました。 ──始めたばかりの頃には活動を辞める選択肢もあったんですね。 大久保 戦隊モノの撮影中は「一年間の撮影が終わったら辞めよう」と思っていました。戦隊モノって、日本全国をツアーで回るんですけど、舞台上から一年間応援してくださったファンの皆様の顔がしっかり見えるんです。その時の泣いている顔やすすり泣く声を聞いて、「本当にここで辞めていいのかな」と葛藤しました。そこから「完璧でいなきゃ、頑張らなきゃ」とスイッチが入っちゃったんですよね。「頑張ろう」という姿勢は良いことかもしれないけれど、力を入れすぎると自分も疲れてしまうということに、その時は気付かなかったんです。 ──ファンの方の存在が、受け止め方によっては重圧になってしまうこともあるんですね。今の大久保さんにとっては、ファンの方はどういう存在ですか。 大久保 応援してくださることはもちろん嬉しいですが、今まではプレッシャーになってしまうこともありました。それはファンの方に限った話ではなく、周りの友達に「あの作品見たよ」「すごいね」などと言われるたびにプレッシャーがのしかかってくる感覚があって。けど今は、プレッシャーとか、期待されてるとか、そんなことを考えなくてもいいかなと思えるようになりました。自分が楽しくて、みんなも楽しいなら、それでいいんじゃないかなって。私のファンクラブは「守護神」という名前ですが、みんながいてくれるから、私も安心して気を抜けるんです。 ──お仕事への向き合い方が変わる転機となったような出来事は何かありますか。 大久保 2023年に出演させてもらった恋愛リアリティショー『オオカミちゃんには騙されない』での、モデルのギャビーちゃんとの出会いは自分にとっての大きな転機だった気がします。ギャビーちゃんが私に「真面目は馬鹿を見るよ」と言ってくれたんです。「もっと力を抜いた方がいい」「真面目に考えすぎ」って。それによって、「自分がどんなに真面目になろうとしたって報われるわけじゃないし、自分にストレスを加えないように楽しく生活できる方がいい」と気付けたので、彼女との出会いは自分が変われた瞬間だったと思います。 ──ありがとうございます。最後に読者の方にメッセージをお願いします。 大久保 今までの写真集は、カメラ目線で決めている顔、ポージングの写真が多く、“可愛い写真集”、“格好いい写真集”が多かったと思います。けれど今回の写真集は、ふとした表情や着飾っていない私らしさがたくさん詰め込まれているので、「可愛い桜子ちゃんを見たい!」という方のご期待には添えないかもしれませんが(笑)、「大久保桜子ってこういう子なんだ」と知ることができる一冊になっていると思います。ぜひ手に取ってもらえたら嬉しいです。 取材・文・写真=山田健史
山田 健史