被災住宅の「損害割合」自動算定 アプリ開発、現場で完結
損害保険大手MS&ADホールディングスは地震や台風といった大規模災害を受けた自治体への支援として、住宅の被害を効率よく調査できるようにするアプリを開発した。「全壊」や「半壊」の判定を下すのに必要な「損害割合」を自動で算定する機能により、現場で作業を完結できるのが特徴だ。能登半島地震で被災した石川、新潟両県の自治体などに導入を働きかける。 アプリはタブレット端末向けで名称は「損害割合カリキュレータ」。間取り図の画像を取り込んで使う。柱の亀裂や壁紙の破損といった状況を入力し、それを基に損害割合を出す仕組み。MS&ADは傘下の三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険を通じて近く提供を始める。利用料金は人口規模に応じて変わり、3万人未満の場合は年7万円。 MS&ADがアプリを能登半島地震で被災した新潟県糸魚川市で試験運用したところ、損害割合の算出完了まで平均約1時間だった。紙の図面や手計算に頼る現状の調査手法と比べて時間を半分に短縮できた。罹災証明書の発行の迅速化にもつながるとしている。