「少女時代を取り戻す…」“リボンで蝶結び”動画がTikTokを席巻!生きたウサギや氷に結ぶ人まで現れ「行き過ぎ」の声
目についたものや身の回りにあるものに、ピンク色のリボンを蝶結びした動画がTikTokで大量に出回っている。女の子らしいリボンが今年流行し、それがこのトレンドにつながったという。しかし投稿が増えるにつれてシュールなものも目立っており、趣旨が変わってきつつある。 【動画多数】ウサギから氷、家具までピンクのリボンで蝶々結びにする動画
女子のハートをつかんだピンクのリボン
英サン紙によれば、ピンクのリボンの流行は、ヘアスタイルやコケティッシュな服装に、ちょっとしたアクセントを加えるために始まったという。それが爆発的に広がり、ピンク・リボン・マニアが誕生したそうだ。 このブームに乗ったユーザーたちは、自分自身や身の回りのものをピンクのリボンで飾った動画を投稿。ペットやぬいぐるみ、食器や食べ物まで、日常生活のなかにある様々なものにピンクのリボンが蝶結びされている。
少女時代に戻りたい? キーワードに「コケット」
動画には「pinkbow(ピンクの蝶結び)」「coquette(コケット)」などのハッシュタグが付けられている。スラング等を解説するアーバン・ディクショナリーによれば、コケットとは「少女時代を取り戻し、楽しむことが好きで元気なパーソナリティを受け入れることに基づいた美学」らしい。 多くの動画につけられている曲は、米シンガーソングライター、ラナ・デル・レイの夢見心地なラブソング『レット・ザ・ライト・イン』。彼女自身のスタイルは、昔ながらの女性らしさを出し、リボンを多用することで知られている。
流れが変わったけど…ブームはいつまで続くのか?
もっとも、ピンクのリボン動画の中には、このブームを解説したり風刺したりするものも出てきて、だんだん趣旨が変わってきつつあるという。ニューヨーク・タイムズ紙は、そういった動画は、ファッションやポップカルチャーにおけるこのところのリボン人気へのリアクションだと説明している。 ピンクのリボンを結んだ氷が水に浮いている風変りな動画を投稿した女性は、コケットは女の子らしさを表現する方法だが、自己を意識した方法でもあり、決して天然女子っぽい文化ではないとニューヨーク・タイムズ紙に話している。この動画は1100万回以上再生されており、「氷の塊が溶けていく様子は、社会が女性の美しさをどのように見ているかを表しているようだ」という深いコメントもあった。 いくつかのリボン動画を見た後、シュールな映像を投稿してみたという女性は、物にリボンを巻いただけで動画を撮影する行為は、流行を生みワープスピードで広げて行くというインターネットの手法のパロディかもしれないと述べた。シュール系の投稿は、世の中のトレンドの多くをジョークにしているのかもしれないとしている。 ニューヨーク・タイムズ紙は、今回のなんでもピンク・リボン・ブームは行き過ぎとしており、解説・風刺する動画の増加が、トレンドの終了につながることを期待している。もっとも、いまや腕にピンク・リボンのタトゥーを入れる人も登場しており、当分ブームは収まりそうにない。
文:山川真智子