高まる投資熱、職場セミナー活況 北陸の金融機関 北國銀、4~9月360回 昨年度上回るペース
投資熱の高まりを受けて、北陸の金融機関が開催する資産形成セミナーが盛況だ。金融機関の担当者が企業の職場に直接出向き、資産運用や新NISA(少額投資非課税制度)を解説しており、北國銀行は今年度上半期(4~9月)に約360回開き、昨年度を上回るペースとなっている。金融機関にとっては新規顧客の獲得につながるため、チームを組んで企業側に開催を提案するなどして取り込みを図っている。 10月末、金沢市内の繊維企業で北國銀行によるセミナーが開催された。若手を中心に社員約20人が参加。終了後も、新NISAを詳しく聞こうと講師の行員に相談する社員がいた。 北國銀行は企業向けに実施する「職域セミナー」として、相続や保険など多彩なテーマを用意している。昨年度は合計約800回開催し、このうち8割の約630回が資産形成に関するセミナーだった。参加人数は昨年度約6600人に対し、今年度は9月末時点で約4200人に上り、昨年度の半年分を超えた。 これまでは企業側からの依頼で開催してきたが、資産形成への関心の高まりから昨年度に結成した専門チームが積極的に提案しており、開催数の増加につながっている。 ●企業側は福利厚生充実狙う 企業側は、社員の関心が高まる資産形成を銀行に相談できる機会として福利厚生を充実させる狙いがある。銀行側としては、店舗への来訪者が減少する中でセミナーが顧客との貴重な接点となる。北國銀行の担当者は「さらに開催を勧めていきたい」と話した。 北陸銀行が企業向けに開催した資産形成のセミナーは今年度上半期、約600回に上った。今年から始まった新NISAに関する内容が好評で、各支店から企業側に実施を呼び掛けている。担当者は「セミナーは対面できめ細かく説明できる。反響も大きく、引き続きセミナー開催に力を入れる」と意欲を示す。 資産形成を説明する動画を独自に制作したのは富山第一銀行だ。2022年度に開催したセミナーは28回だったが、今年度は現時点で130回超となっている。担当者は「お金にまつわる不安や疑問を少しでも解消したい」と語った。 富山銀行も企業向けを含めて、資産に関するセミナーの開催数を増やしていく計画だ。