横浜聡子監督が、“孤高の天才漫画家”三好銀の最高傑作を映画化!『海辺へ行く道』2025年公開決定
10月28日(月)に開幕する第37回東京国際映画祭で「アジアの未来」部門の審査委員を務めることも発表された横浜聡子監督の長編監督最新作となる『海辺へ行く道』が、2025年晩夏に公開することが決定した。 【作成中】東京国際映画祭で審査委員を務める横浜聡子監督が、『いとみち』以来の長編映画に! 2016年に61歳でこの世を去った、知る人ぞ知る孤高の天才漫画家、三好銀の同名作品を原作にした本作。舞台はアーティスト移住支援をうたう、ある海辺の街。なにやらあやしげな“アーティスト”たちが行ったり来たりするこの街で、のんきに暮らす14歳の美術部員の奏介とその仲間たちが、大好きなモノづくりをしながら縦横無尽のイマジネーションで世界を愉快にする様が描かれていく。 2010年に原作漫画と出会ったという横浜監督は、「もし映像化されることがあるとしたら他の誰にも撮られたくない、と思った(と同時に映像化はいかにも困難な作品だと怖れた)」と振り返り、「幸いにしてこの映画を作ることができたが、まだゴールじゃない。とめどない想像力をたずさえて道を行く三好さんの軌跡を、私はずっと追い続けるだろう」とコメントを寄せている。 『ウルトラミラクルラブストーリー』(09)や『いとみち』(21)などで映画ファンから絶大な支持を集め、寡作ゆえに次作が待ち望まれてきた横浜監督が挑む、傑作漫画の初映画化。続報を楽しみに待とう。 ■<コメント> ●横浜聡子(監督) 「2010年に『海辺へ行く道』に出会った時、もし映像化されることがあるとしたら他の誰にも撮られたくない、と思った(と同時に映像化はいかにも困難な作品だと怖れた)。三好銀さんの描く世界では、種々雑多な人や出来事がごく当たり前に、超然とそこにある。それを多様性と呼ぶまでもなく、世界はそもそもが多様なものなんだと気付く。存在して大丈夫なのだと、いつも励まされる。2024年、幸いにしてこの映画を作ることができたが、まだゴールじゃない。とめどない想像力をたずさえて道を行く三好さんの軌跡を、私はずっと追い続けるだろう」 ●三好風太(アーティスト) 「原作をなぞるわけでも、かといって蔑ろにするわけでもない、横浜監督の不思議な手つきによって、気づいた時には異界へと誘われていました。その手つきは、ときに軽やかでときに不穏な、劇中のアーティストたちの不定形な振る舞いとも、重なっているのかもしれません。父の遺した物語から出発しつつ、全く違った景色へ連れ去ってくれたことを、とても嬉しく思います」 文/久保田 和馬