ママは「時短」「お迎え要員」?育児を担いづらい男性の働き方に疑問の声
信濃毎日新聞社は、子育て包括支援事業などを手がける「コネヒト」(東京)と共同で、全国の母親2838人に子育てしながら働くことに関するアンケートを実施し、結果をまとめた。就業形態の変化などから「育児は女性」といった意識がいまだ強いことが浮き彫りになったほか、自由記述では、時短勤務や急な休日取得ができずに育児を担いづらい男性の働き方に対し、疑問の声が多数上がった。 【グラフ】今の働き方を選んだ理由は?「家族と家事育児分担できる」「職場の理解」満足度によって違いも
「夫が勤める会社は、もっと積極的に男性の育児に理解を示してほしい」(北海道の30代)、「なぜ私が家庭の現状を1人で背負わなければならないのか」(東京都の30代)…。「男性は仕事が第一」「女性は育児と仕事を両立」という価値観が前提になっている職場は多く、柔軟な働き方をする際の男女差につながっているとみられる。
「妻側が当たり前に時短やお迎え要員になっている」(福岡県の30代)、「子の体調不良時などに、妻ではなく夫がお迎え・連絡対応ができる環境が必要」(静岡県の30代)といった声もあった。
女性のみが柔軟に働きやすい会社が多いと、家事育児の負担が女性に偏る。日本総研上席主任研究員の藤波匠さんは「企業は男性と女性のどちらの急な休みにも対応できる態勢を作るべきだ」と強調する。
アンケートでは、家事育児の分担が難しいと働き方への満足度が下がる傾向も分かっている。藤波さんは「人材確保の面から考えても、男女とも柔軟な働き方ができる人事戦略を取る企業が生き残っていく」とした。 【アンケートについて】 アンケートは、コネヒトが開発・運営する母親向けアプリ「ママリ」の利用者を対象に実施。子育て中または妊娠中の女性2838人から回答を得た。 調査期間:2023年9月2~3日、9~10日 調査方法:インターネット調査 【コネヒト】 「あなたの家族像が実現できる社会をつくる」をビジョンに掲げ、母親向けのアプリ・情報サイト「ママリ」の開発・運営や、子育て包括支援、企業や自治体向けの育休取得支援事業を手がけている。