【キャンプで訪ねるみちのくの名湯】全国有数の多彩な泉質を誇る古湯と渓谷の絶景「鳴子温泉&鳴子温泉キャンプ場」
キャンプやアウトドアレジャーを存分に楽しんだ後に、近くの温泉でほっと一息。日本でも有数の名湯ひしめく東北で、温泉&キャンプ旅におすすめのスポットをシリーズでご紹介します。 【写真】紅葉を愛でることができる鳴子温泉と隣接するキャンプ場を見る(全13枚) みちのくの名湯として名高い、宮城県の鳴子温泉郷。鳴子温泉、東鳴子温泉、川渡温泉、中山平温泉、鬼首温泉の5つの温泉の総称で、1000年以上続く歴史ある古湯です。 源頼朝に敗れ追われた源義経が平泉へ落ち延びる際や、松尾芭蕉が「おくのほそ道」の道中で立ち寄ったとされ、界隈には史跡も数多く残っています。
鳴子峡の紅葉の中で過ごせるコンパクトなフリーサイト
温泉郷の中心として賑わう鳴子温泉から、国道47号を西へ3kmほど。芭蕉ゆかりの出羽街道尿前の関や、日本こけし館がある鳴子公園の先に、鳴子温泉キャンプ場があります。 大谷川がつくりだす名勝・鳴子峡へはすぐ。初夏の萌えるような新緑、10月中旬~11月上旬が見頃の錦を織りなす紅葉が、キャンプ場の周囲にも展開しています。 サイトはフリーサイトで、広さは4000㎡とこぢんまりした印象。管理室を中心に売店、トイレ、シャワー室、炊事場などの施設も完備しています。2023年4月にオープンしたばかりなので、比較的新しく清潔なのも嬉しいところ。キャンプ用品のレンタルも行っているので、手ぶらでも楽しめます。 また近隣には人気が高い道の駅「あ・ら・伊達な道の駅」もあり、地場産野菜など食材の調達も便利です。 このキャンプ場のセールスポイントは、なんといっても周囲の豊かな自然。緑の中でのバーベキューなどのアウトドアはもちろん、夜は満天に散りばめられた星空が、息を呑むほどの素晴らしさです。
外湯をはしごしたら湯上がり散歩で絵付けにチャレンジ
鳴子温泉キャンプ場を利用する際は、鳴子温泉にもぜひ立ち寄ってみたいもの。温泉旅館街が広がる湯の町情緒あふれる温泉地で、飲食店や物販店を眺めながらの散策もおすすめです。 特産の工芸品「鳴子こけし」は、江戸後期に木地師たちにより作られた玩具が起源。おみやげのほか、絵付け体験にも挑戦できます。 鳴子温泉の人気の一つは、源泉が多く泉質が多彩なこと。共同浴場は2カ所あり、総ヒバ造りの「滝の湯」は湯治場風情あふれる、落ち着いたたたずまいの浴場。大小2つの湯船はそれぞれ、湯温の異なる湯で満たされています。 「早稲田桟敷湯」は名の通り、昭和23年に早稲田大学の学生が掘削した温泉。黄漆喰のモダンな建物で、内湯のほか貸切露天風呂も用意されています。 絶景の渓谷美に抱かれ、泉質多彩な歴史ある湯に浸る。鳴子温泉の風光明媚な環境に身を置いて、心安らぐキャンプを楽しんでみましょう。
上村一真