こだわりの「ぼたん鍋」をPR…丹波篠山市観光協、旬の野菜も楽しんで
本格的な鍋の季節に向けて、兵庫県丹波篠山市観光協会は郷土料理として知られる「ぼたん鍋」のPRを始めた。市内では飲食店や宿泊施設など約40店が提供。「店による味付けや調理方法の違いとともに、寒暖差のある(丹波地域の)気候で育った旬の野菜も楽しんでほしい」とアピールする。
同協会によると、ぼたん鍋は丹波篠山が発祥の地といい、明治期に駐屯した陸軍の兵隊が訓練で捕獲したイノシシの肉をみそ汁に入れて食べたのが広まったとされる。2021年度には地域で受け継がれる食文化として、文化庁の「100年フード」に認定された。
家畜伝染病「CSF(豚熱=豚コレラ)」の影響で地元産イノシシ肉は市場に流通していないが、各店では西日本を中心に良質な肉を仕入れ、秘伝のだしや独自に配合したみそを使うなど調理方法にもこだわる。
19日にはシーズンを知らせる記者発表が行われ、市北東部の草山温泉にある温泉宿泊施設「tanoshic resort西紀荘」の料理人が腕を振るった。赤白のみそと地元産の白菜、白ネギ、ゴボウなどをふんだんに入れて煮込み、早く食べられるように肉は薄めにスライス。鍋や器はモダンな丹波焼を使った。
試食した丹波篠山観光大使の上見真紀子さん(27)は「みそは濃厚だけれど食べやすく、肉が軟らかくておいしかった」と笑顔。水口義人社長(42)は「心も体も温まるひとときを過ごしてほしい。旬の野菜を含め丹波篠山の豊かな地域資源を感じてもらえたら」と話していた。