大谷翔平は新データでも"メジャー最強”!? MLBが公開した「スイング指標」とは
チームメイト、ライバルたちとの比較
大谷選手のスイングの数値につき、『Baseball Savant』を用いて、一番イメージしやすいBat Speedに関して主要選手と比較する。まずは同チームのムーキー・ベッツ選手、フレディ・フリーマン選手との比較だ。 ベッツ選手、フリーマン選手はMLB平均を下回るのに対し、大谷選手は両選手やMLB平均を上回っている。大谷選手のBat Speedはドジャースのチーム内で1位である。
次に、ニューヨーク・ヤンキースの主力打者3人、ジャンカルロ・スタントン選手、アーロン・ジャッジ選手、フアン・ソト選手と比較する。 この3人は大谷選手と打球速度を競い合っており、平均打球速度のMLB順位はジャッジ選手1位、ソト選手2位、大谷選手5位となっている。スタントン選手は、5月19日時点で2024年シーズン最速の時速119.9マイル(約193.キロ)の打球を打っている。 大谷選手を含む4人は、打席数に対するバレル(一定の角度、速度を満たす打球)の割合でもMLB1~4位を独占している。 ソト選手は大谷選手と同じ箇所にピークがあるが、ばらつきは小さく分布は右にずれている。スタントン選手、ジャッジ選手はいずれも大谷選手を上回り、スタントン選手はばらつきも小さい。 スタントン選手の平均Bat Speed(時速80.6マイル(約129.7キロ))はMLB1位で、ジャッジ選手(時速76.6マイル(約123.3キロ))はMLB7位、ソト選手(時速76.2マイル(約122.6キロ))はMLB9位だ。
各選手の指標の一覧
これまで取り上げた各選手の指標を、平均打球速度も合わせ含めて一覧にしてみた。 大谷選手のスイングはスタントン選手やジャッジ選手より遅いが、2人よりコンパクトだ。打球に力を伝える確実性が高く、速いスイングで強い打球を打つ確率は2人より高い。ソト選手は大谷選手と特性が近く、各指標の数値は大谷選手を上回る。 スイングに関する各種指標が速度だけでなく様々な形で表現されるとともに、それが打球速度とも連関づけられることで、新たな数字の見方が生まれた。大谷選手は、その新たな見方を楽しませてくれる代表的な1人といっていいだろう。 なお、ドジャースは、6月7~9日に、ヤンキースタジアムでヤンキースと対戦する。スイングや打球速度での大谷選手とスタントン選手、ジャッジ選手、ソト選手との「対決」も楽しみだ。
ベースボールチャンネル編集部