鉄路再生の立役者「たま駅長」、採用した代表は「バリバリの犬派」…業者がミシン3台壊して作った猫用の制帽も貢献
貴志駅は改装する時、外観を猫の形にした。売店ではたまちゃんのクリアホルダーや写真集を販売し、「たま電車」や「いちご電車」など乗って楽しい電車を走らせた。
和歌山電鉄が路線を引き継ぐ前は減少傾向だった年間乗客数は下げ止まり、しばらくは開業時より約30万人増で推移した。地方にあるローカル線の再生としては異例のことだった。グッズによる収入も順調に伸び、観光というものは公共交通にとっても大きな存在だと学んだ。
この再生に大きく貢献したのは、言うまでもなく、たまちゃん。駅長から「スーパー駅長」、執行役員、「ウルトラ駅長」と昇進、社長代理も務めた。15年6月の没後は「たま大明神」として貴志駅の「たま神社」にまつられている。名誉永久駅長でもあり、私にとっては「ベストパートナー」だ。