東京都が男性の「不妊検査」を実質無料化! 対象者と条件の詳細が明らかに
東京都は、不妊治療や妊活に備えて男性が精子の状態を調べる検査を無料で受けるための支援開始を決めました。この内容について馬場医師に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
東京都による支援とは?
編集部: 東京都が不妊治療に対して、新たに実施する支援内容について教えてください。 馬場先生: 東京都が新たに支援を実施するのが、不妊治療や妊活に備えて男性が精子の状態を調べる検査を実質無償でおこなえるようにする取り組みです。 東京都は将来的な妊娠に向けて自身の健康を管理する「プレコンセプションケア」の普及に力を入れており、この取り組みの一環として実施されます。 対象となる男性は18~39歳で、支援を受けるためには関連講座を受講する必要があります。最大2万円の検査費用の助成が出る形ですが、一般的な精液検査は数千円のため、実質無償となります。夫婦やカップルでの申請は不要です。 なお、東京都によるプレコンセプションケアの普及事業については、関連講座を受講した18~39歳の女性を対象に、体に残された卵子数の目安を調べるAMH検査の費用の全額助成を2023年度に始めています。
東京都による不妊・妊活支援、ほかにもある?
編集部: 東京都による、そのほかの不妊・妊活支援があれば教えてください。 馬場先生: 今回紹介した助成のほかに、東京都は2023年9月に卵子凍結保存費用の助成制度を公表しています。助成の対象となるのは、東京都内在住で、採卵を実施した日の年齢が、18~39歳までの女性です。 東京都はこれまで、がん患者を対象に卵子凍結保存費用の助成をおこなっていましたが、対象を拡大して加齢などで妊娠機能の低下を懸念する場合に助成をおこなっています。 助成金額は1人あたり最大30万円です。卵子凍結を実施した年度に上限20万円を助成し、その翌年度以降、1年ごとに一律2万円を最大5年間助成することになります。 助成を受けるための条件は、東京都が実施する事前説明会に参加することです。説明会では、専門医が卵子凍結のメリットやデメリットのほか、複数回の通院が必要であることや、妊娠や出産を保証するものではないことなどについて説明します。 また、卵子凍結の実態把握のための都の調査にも協力する必要があります。助成の初年度に、動機などを尋ねるアンケートに回答し、翌年度以降も凍結保管の更新などに関するアンケートを継続的に回答することになります。 助成の申し込み方法について、最初に東京都のホームページで説明会へエントリーする必要があります。そして、説明会に参加した後、都が指定する医療機関から受診先を選び、卵子凍結の実施後に助成金の申請をおこなうと助成を受けることができます。 また、不妊治療の際に、凍結卵子を使う場合についても、1回につき25万円を上限に助成がおこなわれます。対象は妻の年齢が43歳未満である法律婚か事実婚の夫婦で、妻の年齢が40歳未満であれば6回まで、40歳以上であれば3回まで受給することができます。