シャボン玉のような不気味な泡が…患者3人が消毒液で中毒死「20人以上に入れた」元看護師の戦慄言動
一審と同じく二審でも重い罪が科された。 6月19日に東京地裁で行われた控訴審で、勤めていた旧・大口病院(神奈川県横浜市)で患者3人を中毒死させたとし、殺人などの罪に問われている元看護師の久保木愛弓被告(37)に下されたのは無期懲役の判決。検察側と弁護側の双方の控訴を棄却した。 シャボン玉のような不気味な泡が…患者3人中毒死「20人以上に入れた元看護師」戦慄の素顔写真 「検察側は久保木容疑者に完全責任能力があるとし、死刑を求めていました。一方の弁護側は、完全責任能力はないとし一審判決は誤りと主張。更生の可能性があるとしていたんです」(全国紙司法担当記者) 『FRIDAYデジタル』は一審初公判直後の’21年10月8日配信の記事で、久保木被告が犯したとされる事件について詳しく報じている。再録し、複数の高齢者が亡くなった前代未聞の医療犯罪と、20人以上が被害にあった可能性もある「余罪」について振り返りたい(内容は一部修正しています)ーー。 ◆消毒液の混入を繰り返し…… 事件が起きた8年ほど前にさかのぼろう。トラブルは意外な形で発覚した。 「点滴が泡立っている……」 ’16年9月、被害者となった88歳男性が亡くなった直後のこと。久保木被告とは別の看護師が、異様な光景に気づいた。点滴袋内に、シャボン玉のような不気味な泡が充満していたのだ。報告を受けた旧・大口病院が警察に通報。捜査が始まった。 「捜査線上に浮かんだのが久保木被告でした。久保木被告は、夜勤中に消毒液のボトルを隠すように持っていたのを、たびたび同僚に目撃されていたからです。院内では消毒液の使用頻度が低いにもかかわらず、使いかけの状態で数本見つかっていました。 警察の取り調べに対し久保木被告は、こう自供します。『(同年)7月ごろから、入院患者の点滴袋に注射器を使って消毒液の混入をくり返していた』と」(全国紙社会部記者) 久保木被告は同年9月15日から4~5日の間に、入院患者の点滴袋へ消毒液を次々と注入。70代~80代の男女3人が中毒死した。 「被害者はもっと多い可能性が高い。事件化した3人の他にも多数いるかもしれません。久保木被告は『2ヵ月ほどの間に20人以上の患者に(消毒液を)入れた』とも話していますから。亡くなった患者の大半は火葬され、血液など証拠になるものが残っていません。犯行現場の防犯カメラなど、客観的な物証もない。結局、殺人罪で起訴されたのは自供にもとづく3件にとどまりました」(同前)