小さく生まれた赤ちゃんの命を救う取り組み 母乳バンク 県内でも広がる【長野】
みなさんは母乳をドナーミルクとして寄付する母乳バンクを知っていますか?小さく生まれた赤ちゃんの命を救う取り組みで県内でも少しずつ広がりを見せています。 「元々母乳が多く出やすい方ではあって…」 安曇野市の県立こども病院に1人の女性が訪れました。自身の母乳を小さく生まれた赤ちゃんに寄付するためです。 早産などで体重1500グラム未満で生まれる赤ちゃんは「極低出生体重児」と呼ばれます。 感染症や病気にかかりやすく母乳の栄養が必要ですがそうした赤ちゃんの母親は十分に母乳が出ないケースが多いといいます。 ■県立こども病院新生児科・小川亮 副部長 「通常はお母さんの母乳が出るのを待つのか、やむを得ず人工乳を使うのか少し悩ましい状況で時間を待てば待つほど赤ちゃんの腸の機能が弱くなっていくのがあるので」 そんな赤ちゃんを助ける取り組みが「母乳バンク」。その名の通り母乳を寄付してもらう仕組みです。まずは母乳が出る母親が特定の施設で診察や血液検査などを受けドナー登録。 自宅で搾乳した母乳・ドナーミルクを冷凍の宅急便で母乳バンクへ送ります。 その後は検査や殺菌を経て冷凍で保管され小さく生まれた赤ちゃんに無償で届けられます。 ■県立こども病院新生児科・小川亮 副部長 「体の中にウイルスとかばい菌が入ってきた時に、やっつけるような免疫成分が非常に母乳に多いと分かっている。炎症を抑える物質もすごく母乳には多いので、こうした物質は人工乳の中には含むことが出来ていないので」 国内では年間6000人の赤ちゃんが1500グラム未満で生まれドナーミルクが必要な赤ちゃんは推計で5千人にのぼると言われています。 この春、甲信越で初となる母乳バンクのドナー登録施設に選ばれた県立こども病院には現在16人のドナー登録者がいます。 今回登録にきた女性は2人の子を持つ母親です。 ■生後3カ月と3歳の母親(上田市から) 「赤ちゃんによって色んな境遇があると思うけど、多分どのお父さんお母さんとかおじいちゃんおばあちゃんからしても大切な我が子・孫だと思うので、色んな子たちが幸せになれるように使うちょっとの手助けになれたらいい」 小さな命を救うドナーミルク。母乳バンクの取り組みが県内でも少しずつ広がってきています。