大谷翔平の肘故障原因はスプリットではなく160キロ超球速の影響?!
2016年6月には「The American Journal of Sports Medicine」に、ミシガン大学の研究グループによる調査、研究結果が掲載されている。それによるとトミー・ジョン手術を受けた104人の投手と、手術を受けていない投手を比較し、手術を受けることになる投手を予測するための要因を調べた。 それによると、危険を知らせる鍵となる6つの要因を挙げることができるという。 1、登板間の日数が少ない。 2、変化球の種類が少ない。 3、リリースポイントがより上。 4、身長が低い。 5、平均球速が速い。 6、1試合の平均投球数が多い。 いずれも肩、肘への負担が増す要因である。 現代のメジャーの野球は、1人の投手が1試合に投げる球数をだいたい100球を目処に抑え、登板間隔も制御されているが、それが逆に早いイニングからスピードのあるボールを全力で投げ込んでいく傾向にもつながっている。 現段階で大谷の内側側副靱帯損傷の原因は判明していない。日本の公式球に比べて「滑る」と言われるメジャー公式球や、マウンドの硬さなどメジャーでの環境が故障につながった可能性もある。ただ、メジャーリーガーを対象にした研究では、より速いボールが、リスクの要因と考えられている。100マイル、160キロを超える速球は大谷の魅力であり武器だが、今後、試合に復帰したとき、エンゼルスと大谷は、このリスク要因に、どのように対処していくのだろうか。 (文責・谷口輝世子/米国在住スポーツライター)