ジョンリエル・カシメロ対サウル・サンチェス　1回、サンチェスからダウンを奪うカシメロ（撮影・野上伸悟）

＜Treasure Boxingプロモーション：7大会＞◇13日◇神奈川・横浜武道館 【写真】サンチェスに1回KO勝ちし喜ぶカシメロ 　メインイベントのスーパーバンタム級10回戦で、WBO世界同級6位ジョンリール・カシメロ（35=フィリピン）がWBO世界バンタム級8位サウル・サンチェス（27＝米国）に豪快1回KO勝ちを果たした。 　立ち上がりに右のショートパンチでサンチェスにヒザをつかせて最初のダウンを奪うと、1R半ばに今度は強烈な左フックでサンチェスをマットにはわせた。 　カシメロは前日12日午前に都内で行われた1回目の計量で1キロ体重超過。2時間の猶予が与えられたが、2回目の計量でも700グラムオーバーし、ギブアップした。話し合いの末、当日計量で128ポンド（約58・06キロ）をクリアすれば試合が実施されることが決定。カシメロはこの日午前に行われた当日計量を58キロジャストでクリアし、試合は行われた。 　そんな経緯があったため、U－NEXT配信の解説を務めた元IBF世界スーパーバンタム級王者・岩佐亮佑氏はカシメロが勝利すると「クソ胸くそ悪いっすね」と吐き捨てるように話した。それでもカシメロ本人はまったく悪びれることなく「SNS上ではバッシングのコメントもたくさん来たけど気にしなかった」と平然。計量をクリアできなかったのは「宿舎が計量会場から遠かった上に、再計量まで2時間しか与えられなかったから、体重を落とす時間がなかった」と説明した。 　そしてこの日の勝利について「サンチェスが倒れたことがないのを知っていたから、何回かは分からないけど絶対に倒したかった」と胸を張り、「次回は井上尚弥と戦いたい。いつでもどこでも戦う」と言い放った。 　Treasure Boxingプロモーションの伊藤雅雪代表も「みなさん、カシメロの体重については僕もそれは正直同じ思いです。でもやっぱりリング上のカシメロは格好良いし、迫力もあるし、スピードもあるし、魅力的な選手だなとリアルに思ったので。井上尚弥とやった時に唯一、かみ合えば何かあるんじゃないかと思える選手だったのは間違いないと僕は思うので。それは示せたんじゃないかなと思います。井上尚弥は試合決まってるところはありますけど、話をしていけたらなと思います」などと説明した。【千葉修宏】