今季一軍で防御率1点台も戦力外…26歳左腕が「複数球団の争奪戦」可能性が
育成からはい上がって
横浜高、法大と野球の名門校を渡り歩いてきたが、苦労人だ。高校では先発の2枚看板だった同学年の藤平尚真が高卒ドラフト1位で楽天に入団したが、「ずっと高校からプロに行きたいと思っていました」と考えていた石川は力不足を痛感して大学進学を決断する。法大ではチームメートの左腕・鈴木昭汰、早大の早川隆久、慶大の木澤尚文ら同世代の好投手と切磋琢磨したが、4年春に左手首骨折の大ケガをする。それでも希望を捨てず最後までやり抜き、育成ドラフト1位でDeNAに指名された。 ファームで好投を続け、2年目の22年に支配下昇格。背番号が「101」から「95」に代わった。昨年は28試合登板で3ホールド、防御率1.97と頭角を現し、オフに背番号「46」に。三浦大輔監督が現役時代に新人の92年から6年間つけ、左のセットアッパーとして活躍した田中健二朗が15年間つけた背番号だった。球団の期待は大きかったが、わずか1年でこの背番号に別れを告げ、新天地で現役続行を目指すことになった。 戦力外通告を受け、新天地ではい上がった投手たちがいる。藤井皓哉(ソフトバンク)はその代表的なケースだろう。高卒で入団した広島は計14試合登板で1勝にとどまり、6年目のオフに退団。四国IL・高知で再スタートを切り、ソフトバンクに育成枠で入団。1年目に支配下昇格して55試合登板で5勝1敗3セーブ22ホールド、防御率1.12と大ブレークした。その後もセットアッパーで活躍し、チームに不可欠な右腕になった。 運命は自身の手で切り拓いてきた。石川も再び一軍のマウンドで光り輝く日を目指す。 写真=BBM
週刊ベースボール