ザックの場当たり采配の死角
■吉田「守備というより攻撃が問題」 プレスが掛からず、簡単に中央を破られるからディフェンスラインは低い位置を取らざるを得ず、それで一層押し込まれるという悪循環。加えて、攻撃のミスが多かったと振り返ったのはセンターバックの吉田だ。「守備というより攻撃が問題で、彼らはボールに食いついてきて横パスを狙ってきた。縦を崩された場面も横パスを引っ掛けられて推進力のある選手に前に出て来られた。それはミーティングでも言われていたんですけど、前半はそうしたシーンが多かった」。 一方、コートジボワールの攻撃には、入念な日本対策も見て取れた。アフリカ予選ではさほど攻撃参加することのなかった両SBが常に高い位置を取り、日本のサイドハーフを牽制してきたのだ。相手のSBが攻め上がってくるから、日本の両サイドハーフは守備に戻らざるを得なくなる。日本の得点源である岡崎と香川がこの日、放ったシュートはゼロだったのは、相手のSBの積極的な攻め上がりと無関係ではない。 とりわけ、左サイドハーフの香川は攻撃時に中央に潜り込むことが多く、攻撃時にはストロングポイントになるが、守備時にウイークポイントになるのは、この4年間、ずっと抱えてきた問題で、そこを突くため、相手の右サイドバックのオーリエは、前半から再三攻撃参加を仕掛けてきた。奪われた2点は、いずれもオーリエからのクロスだった。 長友「サイドで数的不利なときがたくさんあった」 最初の失点は、ピッチの中央で香川と本田がパス交換しようとした際に奪われ、左サイドに展開されたもの。その2分後に奪われた2失点目は香川の寄せが遅れ、簡単にクロスを放り込まれて、フリーになっていたジェルビーニョに決められた。長友が振り返る。「相手のSBはウイングみたいな位置にいて、サイドで数的不利なときがたくさんあった。僕が出るのか、真司を下げさせるのか、そこは話し合わないといけない」。