大物ユーキリスが楽天入りを決めた理由
第一志望のアスレチックスからは「マイナー契約」しか貰えず、迷っていた所に、楽天が「家族も同伴でケアします」とオファーを出したようだ。今のユーキリスなら年俸総額500万ドルは決して悪くない話。NFLのペイトリオッツのエースQB、ブラディの妹に当たるジュリー夫人は、外国暮らしに憧れていたようで、ユーキリスを後押し。一家で海を渡る決意を固めたという。
手術からの復帰という事情を考えても、週1日の休みがあり、シーズン144試合の試合日程はメジャーより遥かに体に優しい。楽天のホーム、仙台から最大の移動距離でも飛行機で2時間半。腰に不安を抱えるユーキリスにはメリットがある。加えて、マギーが楽天での1年契約を経て先日マーリンズと契約したように、今やメジャーからの日本行きは、“骨を埋める墓場への最終便”ではなく、“再びメジャーのUターン”もあり得る世情となっている。 選球眼が良く、広角に打てるユーキリスは健康体でありさえすれば、日本の投手陣を打てる自信があるのだろう。プレーぶりに現れているように、性格は超真面目で練習熱心。日本の文化や風習に馴染んで成功すれ、来オフ再びメジャーのFA市場で名前が挙る存在になれる。メジャーで年金の満額を受け取る有資格条件は10年のサービス。あと半年で届く34歳は、楽天での1年間を、再びメジャー戻るためのステップに考えているのかもしれない。 (文責・一村順子/米国在住スポーツライター)