「甘く香り良し」 リンゴ希少品種「恋するみつ子」 地元二戸で初の販売会
二戸圏域の若手果樹農家でつくる「にのへフルーツの里発信研究会」(荒谷直大会長)は25日、昨年にブランド化したリンゴ「恋するみつ子」の販売会を、二戸市の「なにゃーと」で行った。希少品種で、生産分は昨年と同様に東京と大阪の青果市場へ出荷されるが、「地元の認知度を上げたい」と初めて企画。試食した客の反応は「甘くて香りも良い」と上々だった。 リンゴの品種は、青森県で開発された中生種の「おいらせ」。蜜入りが多く滑らかな食感が特長で、重さは1個500グラムほどと、平均的なリンゴの倍ほどだ。 栽培は難しいが、同会は完熟状態で収穫後に鮮度保全処理を施すなど、10年ほど工夫を重ねて商品化に成功した。新岩手農協の組合員が生産した「おいらせ」のうち、糖度や蜜入り指数を機械で測り、高い基準を満たした物を「恋するみつ子」としてブランド化。昨年から同農協が販売する。 夏の猛暑の影響を受けた昨年に比べ、今年は作柄も良く、5キロ入りで約200ケース(昨年の約5倍)を出荷する。市場価格は5キロで7千円ほどと、同時期の他品種の倍以上を見込む。 この日は地元向けに、1ケース税込み7800円で販売。来客は大玉で深紅のリンゴを興味深そうに見て、試食で味の良さを確かめると、次々に買い求めた。 荒谷会長は「昨年は市場の反応も良かった。来年から徐々に生産量を上げ、地元で販売する機会も増やしたい」と話した。 地元での販売は同日で終了。商品に関する問い合わせは、新岩手農協二戸営農経済センター=電話0195(23)4355=へ。
デーリー東北新聞社