山梨学院が春夏通じて甲子園初優勝 報徳学園に逆転勝ち センバツ
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は最終日の1日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝があり、2年連続6回目出場の山梨学院が、6年ぶり22回目出場の報徳学園(兵庫)を7―3で降し、春夏通じて甲子園初優勝を果たした。山梨県勢の優勝も春夏通じて初めて。報徳学園は21年ぶり3回目の優勝はならなかった。 【山梨学院vs報徳学園の熱戦を写真で】 山梨学院は1回戦から6試合連続でエース右腕・林謙吾投手が先発し、報徳学園は2年生右腕・間木歩投手が先発マウンドに上がった。 報徳学園は四回、先頭の堀柊那選手が三塁強襲のチーム初安打で出塁したのを足場に1死二、三塁の好機を作ると、林投手のボークで1点を先取した。さらに、報徳学園は西村大和選手の中前適時打でこの回2点目を挙げた。 山梨学院は五回1死二、三塁から、伊藤光輝選手の左前2点打で追いついた。さらに、一、二塁と好機を広げて星野泰輝選手の左前適時打で勝ち越した。この後も岳原陵河選手の二塁打で加点し、佐仲大輝選手が報徳学園の2番手・今朝丸裕喜投手から左越え2ランを放って、この回一挙7点を奪ってひっくり返した。 山梨学院の林投手は八回に失点したが、切れのある直球と制球力を軸に今大会4試合目となる完投で締めた。報徳学園は投手陣が五回に大量失点したのが痛かった。 山梨学院の吉田洸二監督は第81回大会(2009年)で清峰(長崎)を初優勝に導いており、監督として2回目の甲子園制覇となった。複数校で優勝監督となるのは、木内幸男氏(取手二、常総学院)▽原貢氏(三池工、東海大相模)▽上甲正典氏(宇和島東、済美)に次いで4人目となった。 今大会は記念大会で36校が出場し、山梨学院は開幕試合の1回戦から登場した。1大会6勝してセンバツを優勝するのは初めて。 昨秋の関東王者として臨んだ山梨学院は1回戦で東北(宮城)、2回戦で氷見(富山)に勝ち、春夏合わせて16回目の出場で初の1大会2勝を挙げた。3回戦で光(山口)、準々決勝では作新学院(栃木)を降した。準決勝は昨秋の明治神宮大会準優勝の広陵(広島)を破り、山梨県勢として春夏通じて初の甲子園の決勝に進んだ。 報徳学園は初戦の2回戦で健大高崎(群馬)に勝利すると、3回戦は昨秋の東海王者の東邦(愛知)を延長十回タイブレークの末に退けた。昨夏の甲子園を制した仙台育英(宮城)との準々決勝も2試合連続でタイブレークまでもつれる接戦となり、延長十回に逆転サヨナラ勝ちを収めた。 準決勝では、昨秋の明治神宮大会覇者で史上初となる2回目のセンバツ2連覇を狙った大阪桐蔭を相手に最大5点差をひっくり返して、逆転勝ち。春の決勝は21年ぶりだった。【浅妻博之】 ◇山梨学院 1956年創立で野球部は57年創部。甲子園は春夏通算16回目の出場。クラブ活動が盛んでサッカー部や駅伝部は全国制覇の経験がある。ソフトバンクの明石健志コーチらプロ野球選手を多く輩出。卒業生にサッカー日本代表の前田大然、競泳シドニー・オリンピック代表の萩原智子さん、直木賞作家の辻村深月さんらがいる。