〈密着・脱ホスト依存〉借金総額5000万円。風俗、闇金、個人融資を駆使して…ホス狂だった元女性会社員(26)が“回復施設”に入居して思うこと「未練がないと言ったら嘘になる、でもこれが最後のチャンス」
依存症治療歴30年の大石雅之院長が開院した「大石クリニック」では、ホスト依存となった女性たちも受け入れている。合田さん(仮名・26)は約2年前から通院を始め、現在は同クリニックが展開する「回復施設」と称したグループホームで暮らしている。彼女は18歳から24歳までの6年間で、ホストクラブにハマり、5000万円以上の借金を抱えていた。当時から治療に至るまでを聞いた。 〈写真多数〉携帯は子ども用、自炊し家計簿もつけた…グループホームで暮らす合田さんの1日に密着
一般企業の事務で働く女性がホスト依存症に…借金は5000万円
都内在住の合田さん(仮名・26)がホストクラブにハマったきっかけは、高校3年生のときに付き合っていた彼氏と別れた後に始めたマッチングアプリだった。 そこで出会った男性は「アパレルで働いている」と言っていたが、初対面で「お店で話をしよう」と告げられ、歌舞伎町に連れて行かれたという。 「はじめは働いている洋服屋さんに行くのかな、と思っていたのですが、たどり着いた先はホストクラブでした。 もともとホストクラブは怖いところだと思っていたので帰りたかったのですが、彼に『お金は払うから』と言われたので、そのときはラッキーだと思って。 そのホストとはそれきりだったのですが、“怖いところ”というイメージはなくなっていたので、それから女友達と『ホストクラブの初回巡りをしよう』と気軽に行くようになったんです。そのうちにホストクラブの楽しさに目覚め、しだいに1人で通うようになりました」 高校卒業後は専門学校に通い、その後は一般企業で働きながらホストクラブに通った。だが、それだけではお金が足りなくなり、昼に仕事をしながら夜は風俗で働いたり、援助交際をしたりして稼ぐように。 担当ホストからは色恋営業を受け、完全に「担当に会いたい」「担当のためになりたい」という一心で稼いでいたそうだ。 そのうち、消費者金融で限度額までお金を借りてからは、個人間で金銭を借りるかわりに性交渉したり、性的な写真を送ったりなどする「ひととき融資」にも手を出し、20名以上の男性に借金をしながら性交渉を繰り返した。 「私はほとんど売掛をしてなくて、だいたい消費者金融やひととき融資などで借りたお金を使っていました。 そのため借金がどんどん膨らんでしまい、最終的には消費者金融3社ほどから数百万円、ひととき融資は多い人で3000万円くらい借りました。借金の総額は、たぶん5000万円くらいだと思います」 ひととき融資は、某掲示板サイトで貸し借りのやりとりを行ない、その後、個人間で対面などして金銭を借りる仕組みだが、当然ながら違法の個人間融資だ。 合田さんはひととき融資で金銭を借りる際に、顔写真を撮られたり、住民票を渡したり、性交渉時の写真を撮られたりしていたため、返済が焦げつくようになると貸主がネット上に合田さんの写真を晒すようになったという。
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