〈密着・脱ホスト依存〉借金総額5000万円。風俗、闇金、個人融資を駆使して…ホス狂だった元女性会社員(26)が“回復施設”に入居して思うこと「未練がないと言ったら嘘になる、でもこれが最後のチャンス」
幼いころから「いつかは結婚して子どもがほしい」という思いがあった
合田さんに「今ホストにハマっている子たちは、どうしたら抜けられるか」と聞くと、#1で大石先生が言及したように「ハマっているときは、何を言っても絶対に聞き入れられないと思う」と言う。しかし合田さんは、「だけど」と続けた。 「だいたいのホストは、自分から約束を破ります。私はホストに通っていた5年間で、頂き女子りりちゃんが通っていたグループ店や業界最大手とされるグループ店などのホスト3人に主にハマっていましたが、一番長くて2年間、同じ人に貢いでいました。 部屋の鍵を渡されて『先に帰って待っていて』と言われたときも“私だけなんだろうな”と勘違いしていたし、彼の『結婚しよう』という言葉も信じていました。 でも、その彼も『バーイベ(バースデーイベント)で使ってくれたら旅行に行こう』とか言いながら、前日にドタキャンしたり、デートもなんだかんだ行かなかったりと、こちらの気持ちを踏みにじるんです。 それで、だんだんと私は『このままホストにハマっていても、何も残らない』と気づきました。そういう気づきと、いよいよ借金で首が回らなくなった状態になって、いい加減やめなければいけないと自ら思えたんです」 なんといっても、幼いころからの「いつかは結婚して子どもがほしい」という思いが、合田さんとってには大きかったという。 「私は幼いころから結婚願望があったし、子どもが大好きだからいつか子どもは絶対にほしい。だから結婚願望がある女性なら、沼から抜けられる見込みはある気がします。 ハマっている間はその結婚相手がホストならいいのにと思うだろうけど、だんだんと約束を反故にされたりするうちに『私がこの人を思うように、この人も私を思ってくれているのか? 大切にしてくれているのか?』と考え直すときがくると思います。 もちろんそれは辛く苦しいことだけど、そんなときに、私の場合は家族が手を差しのべてくれた。そのおかげで、今の私があると思っています」 合田さんの今の密かな楽しみは「グループホーム内の女性と一緒に外食に出かけること」だとか。 「以前のように借金返済に追われて常に焦燥感に苛まれる感じがないので、安定した気持ちでいられます。もともとすごく物欲があったわけではないし、そうなると、基本的にそんなにお金っていらないんですよね。 金銭感覚が普通に戻ったのはよかったです。グループホームにいる女性との約束は必ず果たされますから。『これが普通の幸せなんだな、充実した生活なんだな』という気がしています」 現在は、かつて抱えた借金問題を解決するために、両親とともに準備をしているという合田さん。 「もう二度と同じ過ちは繰り返さないと反省しながら、毎日を穏やかに暮らして、治療が終わったら外で一人暮らしがしたいです。そしてできたら、いい男性と巡り合って結婚して子どもがほしい。 この記事が、今まさにホストにハマっている女の子たちが何かに気づくきっかけになったらいいなと思っています」 合田さんの声が、ホストにハマる女性の耳に届くことを願う。 ※「集英社オンライン」では、ホストにまつわる事件、トラブルについて情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。 メールアドレス: shueisha.online.news@gmail.com X(Twitter) @shuon_news 取材・文/集英社オンラインニュース班
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