日本ハムの新庄監督

　下克上へ、日本ハム・新庄監督の声が弾んだ。ロッテとの激闘から中1日で臨む、ソフトバンクとのCSファイナルS。負傷離脱していた柳田、周東が復帰し、近藤も復帰間近と聞くと、不敵な笑みを浮かべて言った。 　「ベストメンバーよっしゃ！最高じゃないですか！」 　今季対ソフトバンクは12勝12敗1分け。7月以降は7連勝を含む10勝5敗と勝ち越した。一方で柳田は6月、近藤は9月中旬に戦列を離れていた。「言い訳をさせない戦いをしたい」と小久保監督との同学年対決に燃え、福岡へ乗り込んだ。 　ファイナルS初戦を見据え、ファーストSでは今季リーグトップタイ14勝のエース伊藤をあえて温存した。「勇気いりましたけどね」と指揮官。投げずに終われば痛恨だが、崖っ縁から連勝突破した。 　バトンを受けた伊藤は「チームの気持ちが見えた2試合だったので、思いは背負っていきたい」と意気込んだ。今季対ソフトバンクは4勝1敗、防御率2・63。特に敵地では2勝0敗、防御率1・57と数字が上がる。「関係ない。優勝したのはホークス、その悔しさをぶつけて楽しみながら勝負できれば」。相手先発は最多勝を分け合った有原。同一リーグ最多勝投手のポストシーズンの投げ合いは、09年セCSファーストS第2戦の中日・吉見、ヤクルト・館山以来史上2度目となる。 　新庄監督はインスタグラムで「伏見君。ガッツリ鼻が折れましたが、明日は伊藤君と行くだけ精神で行かせます！！」と前日の練習中に鼻骨骨折したばかりの伏見のスタメンマスクまで予告した。22年開幕戦を戦ったみずほペイペイドームは、新庄政権始まりの地。2年連続最下位から日本シリーズ進出へ、指揮官の生まれ故郷でもある九州の地で、描いてきたドラマは最終章を迎える。（清藤　駿太）