「S&P500」など大型株の集中物色が転換へ、新興国株や欧州小型株など魅力的=アムンディの見通し
一方、欧州は成長は鈍化しているものの、消費や投資に改善の兆しがある。ただ、ドイツは弱く、スペインやイタリアがやや良いなど、地域によって回復のスピードに差があると指摘した。日本は前向きな循環が期待され、成長の期待が持てる状態にあると考えている。そして、新興国は先進国と比較すると成長率が高く、インフレが抑えられる中で米国への依存が低下するなど成長の質が向上しているところがある。中国は期待ほど経済成長が強くないが、全体的に経済を政府がコントロールできている状態にあると考えられる。インドは政策ミックスも良く成長の質が高まっていると評価できるとした。
リスクとして意識されるのは、「インフレとの闘いに各国の中央銀行が勝利したと言い切るのは時期尚早ということ」とした。成長率が鈍化する中でインフレが進むというスタグフレーションの懸念も払しょくされているわけではないとした。その1つの要因として、地政学的リスクの高まりをあげた。「不測の事態が出来し、世界の市場がショックを受けるような事態がありうる」ということは、忘れてはならないと語った。
また、インフレが鈍化し、景気も弱含むことで、米国や欧州の利下げが進み、米国は年内に0.75%~1.00%程度の利下げが見通されるとした。このため、米ドルは他の通貨に対して弱くなる見通しで、例えば、ドル円は1ドル=140円を下回るような水準をめざすのではないかとした。
米国はこれまで「マグニフィセント・セブン(M7)」といわれた大型ハイテク株に集中した動きになってきたが、今後はM7以外の小型株などに物色が広がっていくという見通しを示した。また、米国株に対して割安な欧州株にも魅力があり、特に、欧州の小型株は割安で魅力的な投資対象になっていると語っていた。そして、米国株に対して新興国株は魅力的だとした。
ウエルスアドバイザー