平日は大使館商務部、週末は各地に”パフェ遠征”「日本で年500本のパフェを食べる」北欧から来た彼女の情熱
フィンランド大使館商務部に転職したのは2018年のことだ。事あるごとに「いつかフィンランドと日本の両方を知る自分にしかできない、デザインに関わる仕事をしたい」と話していたら、フィンランド大使館商務部のスタッフから声がかかった。 「『こんな素晴らしいことってある!?』と思いました。夢がかなったんです。だから仕事に対するモチベーションは常に高いです」 好きな仕事をして、昼休憩や仕事終わりに大好きなパフェをたくさん食べたいから、体力維持には気を遣う。
「毎日10kmのランニングとヨガをしています。人は疲れる生き物だから、休むのも仕事と同じくらい大事です。疲れたままだと仕事の効率が下がりますし、自分にも人にもやさしくできないと思うから」 ここまでラウラさんの話を聞いて、ふと疑問がわいた。パフェのようなスイーツは、ほかの国はないのだろうか。 ■パフェは日本独自のスイーツ ラウラさんによると、「パフェは日本で独自の進化を遂げたスイーツ」だという。パフェの起源は諸説あるが、日本に持ち込まれたアメリカの「サンデー」が発展したものといわれている。
サンデーはアイスクリームにソースをかけたスイーツ。なぜそれが、いま日本で食べられるような縦長のグラスに入った何種類もの食材を使うパフェになったのか。 「日本人は徹底したこだわりによって、すでにあるものをバージョンアップさせるのが得意です。コンビニはアメリカ発祥ですが、いまの日本のコンビニはアメリカのそれとは完全に別物。そのこだわりが、パフェを進化させたんだと思います」 優雅なグラスに盛りつけられたパフェには、洋菓子のおもむきがある。しかし、ラウラさんは「パフェほど日本らしいものはない」と感じている。
「パフェには食材が層構造で入っているから、上の食材と下の食材が混ざり合う味が楽しめます。定食のおかずとお味噌汁とご飯を口の中で混ぜながら味わう、日本の“口内調味”の文化と同じです」 旬の食材で季節感を表現するところ、作り手の高いクラフトマンシップも日本らしい、とラウラさん。そしてもう1つ、パフェに欠かせない日本らしさがある。“はかなさ”だ。 「日本人は一瞬で散る桜を愛でる文化をもっていますし、季節限定が大好き。パフェはすぐに食べないとアイスやクリームが溶けてしまいます。はかないからこそ、日本人はパフェが好きなんだと思います」