初回バンザイの残像がバットにも影響…守備でリズムを崩した救世主
◆日本生命セ・パ交流戦 巨人0―2オリックス(7日・東京ドーム) 今や巨人の救世主といわれるヘルナンデスだが、この日は自らの守備でリズムを崩してしまった。初回1死で西野が放った強烈なライナーはおそらく、球が揺れて見えたと思う。とはいえ、難しい打球ではない。体がキレているから早く動きすぎ、打球判断が早くなってしまった。 【動画】3試合連続猛打賞のヘルナンデスが打撃練習 その残像が残ったプレーが3回だ。2死から太田が打った飛球は中堅フェンスに直撃する三塁打となった。ヘルナンデスの追い方を見ていると、初回に頭を越された残像が残り、慎重に走っていた。捕りにいくべきか、クッションボールを待つべきか。中途半端な結果がスリーベースだ。落下地点まで一直線に走り、多少ジャンプをするくらいで捕れたかもしれない。 4回、頓宮の中前に落ちた“ポテンヒット”もそう。残像が判断を鈍らせ、スタートが遅れたように感じた。ヘルナンデスの足なら普通に捕れていい打球だ。彼はまじめな性格と聞く。初回の1点がずっと尾を引き、思い切りのいいバッティングにも影響したように感じた。交流戦に入って打線の口火を切っていたバットが眠り、チームは相手の東に力負けした。悪くいえば見どころの少ない試合だけに、気持ちを切り替えていけばいい。(スポーツ報知評論家・高橋 由伸)
報知新聞社