ドイツ当局はまだ22億ドル相当のビットコインを持っている──売り圧力は継続か
ドイツ当局のビットコイン(BTC)売却とマウントゴックス(Mt.Gox)の弁済が暗号資産(仮想通貨)市場を揺るがしているが、このドラマはまだ終わっていないかもしれない。 アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)が追跡しているデータによると、ユーロ圏最大の経済大国であるドイツは、22億ドル(約3520億円、1ドル=160円換算)相当の3万9826BTCを保有している。潜在的な売り圧力となる保有中のコインは、BTCの24時間取引高(253億ドル、約4兆480億円)のほぼ9%を占めており、さらなる価格変動を示唆している。 今年初頭、ドイツ連邦刑事庁(BKA)は、2013年に最後に活動したサイト「Movie2k.to」の運営者から4万9857 BTCを押収した。6月中旬以降、当局は1万BTC以上を清算し、暗号資産市場に下落圧力をかけている。 CoinDeskのデータによると、記事執筆時点でBTCのスポット価格は1カ月で約17%下落し、5万7500ドル付近で取引されている。より広範な市場指標であるCoinDesk 20指数(CD20)は、1週間で約9%下落し、1960前後になった。 先週、トロン(Tron)の創設者であるジャスティン・サン(Justin Sun)氏は、スポット価格への悪影響を軽減するために、ドイツ当局からBTCを市場外取引で買い取ることを提案した。 一部の観測筋によると、ドイツのBTC売却は戦略的な失敗であり、地政学的な観点でドイツに不利な状況をもたらすという。 「ドイツ政府は愚かにも、ここ数週間で3億9000万ドル(約624億円)相当のBTCを法定通貨に換金するために取引所に送金した。地政学的な観点から言えば、法定通貨を簡単に印刷できることを考えると、ビットコインを法定通貨に換金することは、どの国家にとっても戦略的な失敗だ」と、ブロックウェア・インテリジェンス(Blockware Intelligence)のアナリストは7月5日付のニュースレターで述べている。 「それ(法定通貨)に比べてビットコインは、マイニングに必要な膨大な物理的エネルギーと、2100万コインという限られた供給量から、入手がはるかに困難なものだ」とニュースレターは付け加えている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Germany Sill Holds $2.2B Worth of Bitcoin, Blockchain Data Show
CoinDesk Japan 編集部