試合開始前に監督退場の珍事
メジャーリーグのインターリーグ(現地時間23日・クリーブランド)のレッズ×インディアンズ戦で、プレイボールがかかる前に、レッズのブライアン・プライス監督が退場を宣告される珍事が起きた。メジャーでも、両監督がホームベース後方付近で、審判の前でスターティングメンバーの交換が行われるが、その際、プライス監督が、審判のマニー・ゴンザレスと、ジム・レイノルズの両氏と何やら激しい口論を繰り広げていたが、その直後に退場を告げられた。 2013年10月に名将、ダスティ・ベーカー監督の後を受けて投手コーチから昇格したプライスは、就任2年目にして、早くも4度目の退場となった。ピッチャーが、1球を投じる前の退場劇はメジャーでも異例の事態。 複数の米国メディアに掲載されたコメントによると、プライス監督は「昨日から続いている問題。それがすべてだ」と、試合後に語った。前日のインディアンズとのインターリーグの初戦は、3-7で敗れたが、球審のマニー・ゴンザレスのストライク、ボールの判定について大きな不満を持っていた。打線のキーマンであるジェイ・ブルースや、ジョーイ・ボッドが、ストライク、ボールの判定に文句をつけていた。逆にレッズ投手陣は、8つの四球を取られていたが、三振は、わずか2つ。一夜明けても、ジャッジへの怒りがさめやらぬプライス監督は、この日のメンバー交換で、審判と接触する機会を利用して、不満をぶつけたようである。
レッズのセンターを守るビリー・ハミルトンは、監督が、抗議を行うことを予想できたという。試合後いは、「楽しんでいたわけではないが、全員がすべてを見ていた」と笑った。 先発したアンソニー・ディスクラフェニは、ブルペンでウォーミングアップをしている間に、プライス監督の異例の退場事件がおきた。 「監督が、ダグアウトにいないことはわかったが、その原因は知らなかった。退場のことを知らされるまでは、監督の家族に何か緊急事態でも起きたのかなと思っていた」という。 そのディクラフィニは、7イニングを投げて3安打6奪三振1失点と好投したが、昨年度のサイヤング賞受賞投手のコリー・クルーバーから犠牲フライで1点を奪うのが、精一杯。最後は、リリーバーのトニー・シングラーニが崩れて監督なき試合を1-2で惜敗した。 「(クルーバーの)スクリューボールを仕留め、ランナーも多く出した。きょうのクルーバーならば攻略できると思っていたんだが、チャンスを活かすことができなかった」とは、試合前に退場した監督の敗戦談話。開幕4連勝からスタートしたレッズだったが、これで、ドン底の7連敗。チーム状態の悪化にプライス監督もイライラしていたのかもしれないが、中地区の4位とチーム成績は急降下している。 ちなみに監督の退場に関する記録としては、ボビー・コックス氏の合計161回が最多退場記録として残っている。