山本由伸の特別起用法は、ドジャースの佐々木朗希に対するメッセージなのか
気になる山本由伸の起用法
メジャーリーグで成功できるかどうかのカギはシーズンを乗り切る持久力、タフネスさにあるようだ。思えば、ドジャース・山本由伸(25)でさえ、いまだ中6日で投げている。 山本は日本時間5月8日のマーリンズ戦に先発し、4勝目を挙げているが、メジャー自己最多となる8イニングを投げきった。初回と6回にソロアーチを浴び、逆に闘争心に火が点いたのか、8回を投了した瞬間、右拳を作って雄叫びも上げていた。ここまで感情をあらわにした姿はオリックス時代にも見られなかった。 「この8イニングを投げた試合のポイントは、制球力です。実に75.2%が、ストライク投球でした」(前出・同) その高いストライク投球率によるものだろう。8回まで投げたとはいえ。この日の投球数は97。ここまで山本は8試合に登板しているが、100球以上を投げたことは一度もない。4月19日のメッツ戦で投じた99球が最高で、デーブ・ロバーツ監督(51)も山本に「100球以上」を求めていなかった。チームメイトで開幕投手を務めたグラスノー(30)は4月3日のジャイアンツ戦、同21日のメッツ戦などで100球以上を投げているのに、だ。 「ドジャースは40試合に到達する前に、2、3度ブルペンデーを設けています」(現地記者) ブルペンデーとは、先発投手を起用せず、リリーバーを総動員して試合を成立させること。今年に限って言えば、山本の起用法が大きく関係している。 ドジャースはメジャーリーグでは一般的な「5人制」で先発投手陣を編成している。しかし、山本だけはオリックス時代と同じ中6日で登板させる方針で、他の先発投手が中5日の間隔を基本としているため、時折、「先発投手の不在日」が生じてしまう。 「山本はメジャー投手史上、最大規模の12年3億2500万ドル(約463億円)で契約しました。将来的には中5日になると思いますが、メジャーリーグでの生活に慣れるまではオリックス時代と同じ登板間隔で起用していく方針です」(前出・米国人ライター) ロバーツ監督は4月6日のカブス戦後、山本を僅か80球で交代させたことを質問され、「Crisis Management(危機管理)」という言葉を使って、オリックス時代と同じ中6日での登板を続ける意義も説明していた。将来のエースに不慣れなことを強いて故障させたくないというわけだ。