大手銀行のディールメーカー、今後もブティックに移る-トーブマン氏
(ブルームバーグ): 伝統的な大手投資銀行からブティック型投資銀行へのトップディールメーカー移籍の流れは続くだろうと、PJTパートナーズ創業者のポール・トーブマン氏が予測した。中小の投資銀行の成長と、大口顧客が大手銀行以外に目を向ける傾向が背景にあるという。
トーブマン氏は25日ニューヨークで開催された「ブルームバーグ・インベスト・サミット」で、洗練された顧客はウォール街の大手銀行ではなく、より小規模な会社に専門的なアドバイスを求めるようになっていると語った。この傾向は大手銀行が評判を落とした2008年以降、特に顕著になっているという。
「金融危機の結果、扉は大きく開かれた。扉を閉ざすことができるものがあるとは思わない」と同氏は述べ、「大手企業のブランド価値は弱まった」と付け加えた。
トーブマン氏(63)はモルガン・スタンレーに30年在籍した後、2014年にPJTを設立。15年以降、人員を約3倍の1000人以上に増やした。PJTの1-3月(第1四半期)利益でウォール街の予想を上回った。
「私たちは今、大手と中小が共存する変曲点にいる」と述べ、「洗練された顧客は小規模で助言業務を焦点とした銀行にまず相談する傾向が強まっている。10年前、20年前は逆だった」と語った。
トーブマンは、11月に行われる米大統領選挙は経済に確実性をもたらし、より多くのM&A(企業の合併・買収)につながるだろうとの見通しを示し、「政権が交代するか、現政権が2期目を迎えるまでは、検討されている多くの案件は市場に出回らないと思う」と語った。
また、再編活動は引き続き増加し、極端なレベルには達しないが、低金利時代に見られた低水準からは増えると予想。「ゼロ金利に近い環境がしばらく続いた。あれはバブルだ」と述べた。
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原題:Big-Bank Dealmakers Will Keep Moving to Boutiques, Taubman Says(抜粋)