【F1分析】モンツァの新路面でデグラデーションが激化! ハミルトンのロングランに”正解”へのヒントが見えた
■ハミルトンのロングランペースに注目!
また、ミディアムタイヤでのロングランのペース推移でも、気になる部分がある。 上のグラフは、FP2での上位勢のロングランペースの推移。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ランド・ノリス(マクラーレン)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、ロングラン開始早々から1分25秒台前半のペースを記録し、その後1分24秒台までペースを上げている。ただその後、フェルスタッペンとノリスは徐々にペースダウン。1分26秒台まで落とした。 これとはまったく逆のペース推移となったのはハミルトンだ。ハミルトンはロングラン開始直後は1分26秒台だった。この時点では、「今回はマクラーレンやレッドブルには太刀打ちできないか」とさえ思われたが、徐々にペースアップ。8周目に1分24秒5、10周目に1分24秒1を記録している。 このハミルトンのペースと、イゾラの説明から想像するに、今回のレースではスティントの走り出しのタイヤマネジメントが特に重要になりそうだ。つまりハミルトンのように、グレイニングを発生させずしっかりとタイヤを扱っていけば、長く使うことができるのではないだろうか。 メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、次のように語っていた。 「レースでは、タイヤのマネジメントが課題になりそうだ」 「新しい路面はタイヤのデグラデーションがかなり激しく、強くプッシュしてしまうとすぐにタイヤのパフォーマンスが落ち始める。オーバーテイクされるリスクを冒さずに、適切なマネジメントを行なうのが簡単なコースではない。興味深いレースになりそうだ」
田中健一