高級イメージでちょっと遠い存在のサヨリが接岸中 潮次第の神出鬼没な獲物でも、群れに当たれば大チャンス
〈あゆLOVEフィッシング―上園あゆみ〉 【写真】サヨリを釣った仲間と筆者の上園あゆみ(左)
スーパーの鮮魚売り場などでよく耳にする楽曲「お魚天国」。軽快なメロディーに乗って歌詞全体で31種の海産物が登場するが、あなたは何種食べたことがあるだろうか。 最初に登場するイワシは干物や缶詰、だしとして口にしたことがあるだろう。続くサヨリは? スーパーなどで目にする機会は少なく、すし店や料亭で提供される高級なイメージだろうか。少し遠い存在のサヨリが今、鹿児島の沿岸に近づき、釣りシーズンを迎えている。 サヨリは海面付近を回遊する魚で、短い上唇と長い下唇のユニークな口を使い水面付近の浮遊物を餌として食べる。鹿児島では秋ごろになると岸に接近し、群れに当たれば初心者でも気軽に数釣りが楽しめる。 サヨリ釣りの仕掛けは何種類かあるが、今回は定番のカゴ付き連玉仕掛けを紹介したい。私に言わせると、この仕掛けは少々独特である。使うのはまき餌をいれるカゴとウキ。一見シンプルだが、カゴには遠くに飛ばすためのゴム製のスーパーボールが付いていて、カゴ自体も着水すると浮くような仕掛けになっている。繊細な当たりをとるため、サクランボの種くらいの小さなウキを複数個付け、微妙な糸の張りやフケを見極める。付け餌はサシアミやオキアミ、イカの切り身やゴカイで、なるべく軽く小さく付ける。
サヨリは水面ぎりぎりを泳ぐため、仕掛けを海面にはわすようにセットするのが最も重要なポイント。ウキが水面でまっすぐになるように張り、変化が見られたらやや強めに合わせる。サヨリは口が硬いため、針の刺さりどころによってはバラしてしまうことも多い。 10月下旬の朝、垂水でサヨリ釣りを見学させてもらった。釣れたのはサヨリよりも大きくて太いホシザヨリ。この日は群れに当たらず渋かったが、体長30センチ弱が10匹上がった。11月に入り、湾奥の福山方面からも釣果が聞かれる。サヨリは潮の変化に敏感で、突然現れたり消えたりするため情報収集は欠かせない。どこへ行けば捕まえられるか。制限時間は早春ごろまで。あなたもサヨリとの鬼ごっこにエントリーしてみては。
南日本新聞 | 鹿児島