伝統工芸を黒で統一 若手作家が新ブランド 水引、ゆびぬき、獅子頭…
●インパクト強めて発信 県内の若手工芸作家が中心となり、加賀水引や加賀ゆびぬき、加賀獅子頭などのデザインを黒色に統一した新ブランドを始動させた。柄や模様を極力省いたシンプルな造形で、良質な素材、作家の技術をより伝わりやすくする狙いだ。石川が育んだ多様な伝統工芸を、一色のみの展開でインパクトを強めて広く発信する。 【写真】左から加賀手まり、加賀獅子頭、加賀水引細工 ブランド名は「#000 BLACK KOGEI(シャープゼロゼロゼロ・ブラック・コウゲイ)」。「#000」は黒色を数字で表すカラーコードで、津田水引折型(金沢市野町1丁目)の津田六佑社長(43)の呼び掛けに賛同した県内の作家が参画した。 現時点のラインナップは、加賀水引のイヤリングとピアス、山中漆器のカップ、お椀(わん)、能登上布のハンカチなど23種類。加賀てまりなどカラフルな印象が強い品も、一般的には金箔(きんぱく)で彩られている加賀獅子頭も黒色に仕上げることで、新鮮な印象を与える方針だ。既にインターネットで販売しており、品切れの商品も出ている。 津田社長によると、使う色を絞り、シンプルなデザインにすることで、素材や施されている技巧に目が向きやすくなるという。多数の品が並ぶ工芸品の展示会で存在感を示したいとの思惑もある。 9月中旬に竪町通りのホテル「OMO5金沢片町」でテスト販売し、来年は大阪の百貨店などでの販売も予定する。 津田社長は県内外の作家にもブランドへの参画を呼び掛ける考えで、「見た目で欲しいと思ってもらえる品を増やしていきたい。興味がある作家はどんどん声を掛けてほしい」と話した。