有名プロレスラーの貴重すぎる「お宝」続々! でもなぜ島根県の離島に? 解体中の廃旅館から「最低でも数万円」の激レアな品々
島根県隠岐の島町で空き家対策特別措置法に基づき廃虚となった旅館「ビジネスホテル眺海苑(ちょうかいえん)」の略式代執行による解体工事が行われている。旅館の行政代執行は県内初。館内にはごみが放置されていると思いきや、最低でも数万円はする希少価値が高いサイン色紙が飾られていた。「元気ですか!」でおなじみのあの人のサインがあった。 【行政代執行】特定空き家の解体費462万円は相続人に請求 隠岐の島町で行政代執行
1964年築の眺海苑は鉄筋コンクリート一部木造3階建てで、延べ床面積約900平方メートル。6~12畳の和室が13室あり、小高い丘から西郷湾を見下ろす眺望は抜群だ。数年前までは営業していたが、経営者の男性が他界し、相続権利者がいない。 一方、斜面を整地した敷地の直下に保育所が建っている。1月に旅館の梁(はり)の一部が崩落したため、町が安全面を考慮して略式代執行を決めた。 代執行では解体前に職員が財産物を確認する。荒れ果てた内部に換金できそうな物はほぼなかったが、客室に向かう階段に貼られたサイン色紙が目を引く。見える文字は「ワールドプロレスリング」。新日本プロレスの興業が旧西郷町(現隠岐の島町)であった際に選手が宿泊したようだ。 プロレスファンの大江寿町議(52)によると1987年7月、西郷町運動公園グラウンド(現隠岐の島町運動公園)で開かれた。「ドラゴン」の愛称で有名な藤波辰爾さんがサイドカーで来たり、関節技の鬼の藤原喜明さんが海に飛び込み、高速船の出発を遅らせたりと話題は尽きなかったという。
館内には藤波さん、世界の荒鷲・坂口征二さんらのサインが飾ってあった。貴重なのは故アントニオ猪木さんのサイン。猪木さんは販売目的では書かないため希少価値が高く、万単位で取引されているという。 仮に町が「資産」と判断して売却しても、眺海苑の解体費6710万円には遠く及ばない。ただ、既に他界した旅館の主は30年以上、名レスラーのサインを目立つ場所に掲げており、相当な思い入れがあったのは間違いない。