レッドブル重鎮マルコ、角田裕毅は”トップドライバー”だと評価。RB残留は確実か?「予想より少し遅れたが、成長は素晴らしい」
レッドブルはF1カナダGPを前に、セルジオ・ペレスと新たな2年契約を締結。これにより、RBの角田裕毅がレッドブルにステップアップする可能性は無くなったが、モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコは、角田をトップドライバーのひとりだと評価している。 動き加速する2025年F1ドライバーラインアップをおさらい! レッドブルのセカンドシートを巡った争いについては、シーズン開幕前から注目が集まっていたが、RBのダニエル・リカルドは角田を凌駕するパフォーマンスを見せられず、この候補から脱落。角田は周囲を唸らせる走りを見せていたものの、レッドブルは結局”継続性”を重視し、ペレスとの契約継続を選んだ。 motorsport.comはマルコとの独占インタビューで、ペレスの代替案を検討していたのか、それとも単純にペレスを引き留めることを決めたのかと問うた。 それに対しマルコは、「チーム内の継続性を維持したかったんだ」と答えた。 「マックスとチェコ(ペレス)はお互いによく理解し合っているので、論理的な選択だったと言える。最終的にチェコは結果を出している。彼には浮き沈みがあるが、それでも非常に速いドライバーだ」 レッドブルとペレスの契約期間が2年だったことに驚く声も少なくなかったが、マルコ曰くこの契約は、オプション付きの1+1年契約のようなモノではないという。ただ、例えばパフォーマンスを条件とした条項のような、契約解除条項が存在することは否定せず「F1契約には常に条項があるが、一般的には2年契約だ」と話した。 F1は2026年に大きなレギュレーション変更を控えており、このタイミングでドライバーを変えたくないという考えがチームにあるのも確かだ。 マルコは2026年までラインアップを固定しておくことについて、「もちろん、それは助けになる」と語った。 「彼(ペレス)は多くの知識と経験を持っているが、最も重要なのは、チームのために両ドライバーから最良の情報を得ることであり、その時にチームが競争力を持つようにすることだ」 ペレスとの契約により、角田のレッドブル昇格は遠のいた。彼がレッドブルの外に活路を見出すのではないかとも噂されたが、マルコはレッドブルの母国であるオーストリアのメディアのインタビューにおいて「ユウキ・ツノダは決まった。それは明らかだ」と語ったと報じられており、角田のRB残留が示唆されている。 レッドブル昇格を目指していると公言し、カナダではレッドブルと「今まで以上の関わりを持ちたい」と話している角田。そんな彼がレッドブル入りを果たすためには、何が必要なのかと尋ねると、マルコは角田はトップドライバーのひとりであり、今のパフォーマンスを発揮し続けることが重要だと答えた。 「彼は今のようなパフォーマンスを続けなければならない。将来がどうなるかは、そのときに考えよう」 「彼の成長は本当に素晴らしい。我々が予想していたよりも少し遅かったけれど、彼は今やトップドライバーと言っていい」 角田がRBに残留するとすれば、レッドブルグループでまだ決まっていないのはリカルドが座るRBの残り1席。残留を目指すリカルドや虎視眈々とフル参戦デビューを狙っているリザーブドライバーのリアム・ローソンの他、今季はスーパーフォーミュラを戦っている岩佐歩夢、F2参戦中のアイザック・ハジャーといったジュニアドライバーも狙っているシートとなる。 マルコは、そういったドライバーが全員候補だと認めた。 「一般的に言って、RBはジュニアチームだから何が起こるか見てみよう」 「リカルドはこれまで1度だけとてもいいレースをしたが、あとはまだあまり印象的なレースができていない」 「当然、挙げられた名前(ローソン、岩佐、ハジャー)も全員が候補だ」
松本 和己