犬がどこまでできるかは人間次第 アジリティ公式戦で入賞を果たした雑種犬「ゆず」
個性豊かな雑種犬の魅力を紹介する連載企画。第17回は、譲渡会に保護猫を見にきた夫妻に引き取られた「ゆず」。犬の知識がほとんどなかった夫妻とともに2年間ドッグスクールに通い、アジリティの競技会にも出場するなど、飼い主と一緒に取り組める趣味を楽しんでいます。 アジリティ公式戦で入賞を果たした雑種犬「ゆず」
基礎データ】脚長でスタイルのいい和犬系の中型雑種犬
DATA 《名前》ゆず 《年齢/性別》2歳/オス 《役割》アジリティやオビディエンスなどを飼い主と一緒に楽しむ趣味犬です! 《サイズ》体高54cm・体⻑56cm・体重18kg 《チャームポイント》顔の真ん中の白いラインと、ブラウンのきれいな目 《特性》 人慣れ度★★☆ 犬好き度★★★ 食いしん坊度★★★ 運動量★★★ トレーニングしやすさ★★☆ ケアのしやすさ★★★
出会いから1週間で譲渡へ
放し飼いにされていた犬と、外飼いの犬が交配してしまい、望まれない形で生まれてしまったという、「ゆず」とそのきょうだい。親犬の飼い主同士がトラブルになって、生後1カ月のころにきょうだい4~5匹まとめて動物保護ボランティアに引き取られ、生後3カ月で譲渡会に参加していました。 子どもが手離れしたことがきっかけで、2匹の猫と暮らし始めた藤田康宏さん、美香さん夫妻は、保護猫を見ようとその譲渡会を訪れていました。そこで偶然子犬のゆずを見かけて、「かわいい」と思ったことが最初の出会いだったそう。 「迎えたい」と言い出したのは、美香さん。「でもその場で即決はせず、帰って一晩考えて、翌日『やっぱり迎えたいです』とボランティアさんに連絡しました。今考えれば、保護犬に関する知識がほぼゼロだったからこそ、思い切れたんだと思います」 一方の康宏さんは、もう少し慎重に考えていました。「僕は正直、ゆずを迎えると決まってからも『本当に犬飼うの?』みたいな感じでしたね。犬は散歩も必要だし、先住猫との相性も心配でした。ただ、以前に夫婦2人で筑波山に登ったときに、犬と登山している人を見て『犬もいいね』と会話したことがあって、それが頭に残っていたのが大きかったかもし れません」 保護ボランティアから家庭環境などのヒアリングがあり、子犬を届けてもらう日は約1週間後の1月2日に決定。迎える日までに首輪やリード、ケージ、フード、フードボウルなど必要なものを買いそろえ、準備を進めました。そうして、約1週間前には想像もしていなかった子犬との生活が始まったのです。