表彰台狙えたはずなのに……メルセデス、ハードタイヤ履いた”酷い”第1スティントが致命傷に
メルセデスのトト・ウルフ代表は、F1日本GPで表彰台を狙うことができたはずだと語ったが、ハードタイヤで走行した実質第1スティントのペースが悪かったことから、それが台無しになったと語った。 【動画】リカルド&アルボン、日本GP1周目に散る! メルセデスの2台は、ミディアムタイヤでレースをスタートしたが、1周目のアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)とダニエル・リカルド(RB)のクラッシュでレースは赤旗中断。各車がここでタイヤを交換するチャンスを得た。 メルセデスは2台ともハードタイヤに交換することを決断。タイヤ交換義務を消化し、状況次第では実質1ストップ作戦で走り切ることも可能な態勢をとった。 しかし、両ドライバーともハードタイヤではペースが上がらず、ピットストップでハードタイヤを履き替えたものの、十分なゲインが得られなかったため、2ストップ作戦にスイッチ。1周目に履いていたミディアムタイヤに戻した。 9番グリッドからスタートしたジョージ・ラッセルは終盤にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)をパスしたものの7位、7番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトンは途中、ラッセルにポジションを譲るシーンもあり9位でレースを終えた。 ウルフ代表は表彰台争いを期待していたものの、第1スティントのペースの悪さを嘆き、その原因を検証すると語った。 「グリッドと同じ位置で終わってしまったし、とても難しかった」とウルフ代表は『Sky Sports F1』に語った。 「第2、第3スティントはすごく速かったし、表彰台を狙えるはずだった。暑すぎたのか、マネジメントしすぎたのか、原因を突き止める必要がある」 ウルフ代表は赤旗中断中にメルセデスが行なった1ストップ作戦変更は支持しているものの、プラン変更を余儀なくされたペースダウンには憂慮している。 「ラップタイム的にかなり安定していたように見えたから、最初は正しい判断だと考えていた」 「直接争っているライバルたちからもあまり引き離されることもなかったんだ。だが突然1周2秒、2.5秒と落ちていった。あの瞬間、それが続かないのは明らかだった」 ハミルトンは、メルセデスがたとえ異なる戦略を採ったとしても、持ちタイヤを考えるとハードタイヤを2スティント使う必要があったため、どちらにしても苦戦を強いられていただろうと考えている。 メルセデスとマクラーレンは各ドライバーに新品ハードタイヤを2セット、新品ミディアムを1セット残していたが、レッドブルとフェラーリは各ドライバーにハードを1セット、ミディアムを2セット残していた。 「ミディアムタイヤでスタートすべきだったのか、違う戦略でどうなっていたかは分からない。それでも、僕たちは2セットの本当に酷いハードタイヤで走らなければならなかったんだ」 「今日は本当にチャレンジだった。最初のスティントでシャルル(ルクレール)がアウト側に回り込んできたときに少しダメージを負ってしまったようで、アンダーステアが大きくなってしまったんだ」 「どのコーナーでもマシンを(ちゃんと)ターンさせることができなかった。それがジョージを前に出した理由だ」 「ハードタイヤはかなり悪かった。今にして思えば、ミディアムタイヤを2本用意しておくべきだったようだ。でも全般的に、今日のマシンはかなり悪かった」
Haydn Cobb
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