契約解除当日ロッシー小川と話したこと&あれから1カ月
【WEEKEND女子プロレス♯2】
昨年夏あたりからスターダムではケガによる欠場者が続出。3・9横浜武道館でなつぽいが復帰することにより、悪循環に一応のピリオドが打たれそうだが、5★STAR GP開催時期を中心にリング内外でさまざまな問題が噴出した。大会開始時間が大幅に遅れるアクシデントも重なり、オーナーが直接会場に出向き謝罪、社長が交代する新体制にもつながった。問題点が表面化しただけに改善にむけ取り組みやすいのではとも考えられるが、小川氏の心はすでに自身が作った団体から離れてしまったようでもある。 「前体制のときにいろいろとカードヘの介入とかがあったんですよ。選手やスタッフに対するハラスメントもあった。スターダムは借金がないことを条件に事業譲渡されたんだけど、なんか最初に聞いていた話とは違うなあと。一部フロントがプロレスをオモチャのようにしていたことがあった。何か違うことをやりたいというのはわかるんですよ。ただ、売り上げ重視のビッグマッチ乱発とかでグチャグチャになりましたね」 特殊ルールの試合が中心となる「SHOWCASE」や、リーグ戦最中の別テーマによる複数のビッグマッチなどは、小川氏の話などからEPの考えでないことはすぐにわかった。これではリング上を任されたEPとして不信感を抱くのも無理はない。そのなかで、小川氏は通常の業務にも自身の役割に違和感を抱いていたという。 「結局、仕事がルーティーン化しちゃってたんですよ。カードを出して地方をまわって、マンネリ化していたのは事実です。目の前のことをこなすのみで、見てる方はどうだかわからないけど、おもしろくなくなった」 要は、プロデューサーとしての役割が存分にこなせる環境ではなかったということなのだろう。「全体を見たかったというのもあるんですよね。でも一部だけだったので…」 もともとスターダムは小川氏一代限りのものでなく、代々続けるものとして譲渡に踏み切った。ならば、小川氏に次ぐ後任を育てる意思はなかったのだろうか。 「そういう人材がいなかったというか、社員は異動があるからそこにずっと従事できないじゃないですか。だから(企業の中で)後任はできない。これに人生懸けてどっぷりつかれる人っていないと思いますね。だから、スターダムって結局、自分一代限りのものだと思う。これからは新生スターダム、ブシロード・スターダムでいいんじゃないですか」 予想だにしなかった終焉に関しては、「契約解除でもなんでもいいんですよ。ただ、選手の顔も見れずに終わったのは残念。どっちにしろやめるんだから、こういうやり方でなくてもいいのにね」とも語った小川氏。一方で、次なる仕掛けに向け着々と準備中であることもうかがえた。ジュリアの3月退団が一部で報じられたが、「ジュリアの退団はジュリアの退団」として別であることを強調。とはいえ、今後の構想をすでに描いているようで、団体名も頭にあるらしい。 「ブシロードにしかできないものもあるし、ブシロードにはできないものもある。(新団体は)いまのブシロードではできないことをやっていこうと思います。我々の仕事はやってる限り一生現役。いまメチャメチャ活力が出てきてるんですよね(笑)」 1月12日におこなわれたアルシオン卒業マッチ。アルシオン生みの親である小川氏はリング上から「まだまだいろいろ起こしますよ」と発言した。これはそのまま、スターダムからの離脱と新団体誕生を示唆していたのである。 <インタビュアー:新井宏>
プロレスTODAY
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