息子2人の“教育”のために家族4人で海外移住…「マレーシアの地方都市」に住んでわかった“意外な居心地の良さ”
コロナ禍明けで「もっと子どもと向き合いたい」と思うように
よく、コロナ禍になり働き方や生き方を見直した、という声を耳にします。しかし明けてから改めて考え直すとは、いったい何があったのでしょう。聞いていくと、コロナ禍という変革期をへて、元の生活に戻れないと感じる現実があったようです。 「私達夫婦は、長年ゲーム業界で働くデザイナーでした。比較的忙しい働き方をしており、コロナ禍で在宅勤務ができるようになったことで、少しだけ余裕ができていました。しかし2023年の春にコロナ禍が収束にむかい、就業形態が在宅から基本、出社勤務に戻る形になりました。そのとき『(コロナ禍前の)あの働き方に戻りたくないな。もっと子どもと向き合いたい』と強く思ったんです。 ちょうどそのとき、上の子は私がアメリカに渡った年齢と同じ8歳になりました。きっと子どもが親の方を向いて、全力で親を求めてくる時間は、そう長くないだろうし、教育の面を考えても海外に行くなら今しかない。そうした思いやタイミングが重なり、もう一回、夢だった海外移住に目を向け、夫にも提案していきました」
夫婦の意見も一致し、勢いで海外生活準備をスタート
ねこ田さんは帰国子女ですが、旦那さんは海外留学経験がなく、語学力も特にあるわけではないといいます。旦那さんからすると、移住のハードルは高そうです。夫婦やお子さんとの話し合いはどのように進んでいったのでしょうか。 「夫に相談したときは、意外とすんなり『じゃあ行くか』って同意してくれたんです。大きな理由としては、『子どもが親を頼ってついて来てくれるのは今だけだから大切にしたい』という理由が、夫婦で一致したからです。そこから半年ほど準備期間を経て、現在夫はデジタルノマドビザ(フリーランサーやリモートワーカーに向けた長期滞在ビザ)を取得し、日本の仕事をリモートで行いながら生活し、私は専業主婦として子どものサポートにあたっています。デジタルノマドビザは2年の期限付きのものなので、2年後には一度帰国する予定です。 子どもの同意については、年齢もあってそこまで真剣に説得はしていないんです。上の子はなんとなく理解していたので、私も『海外に住みたいなー』って小出しに伝えて、最終的な視察は私と上の子の2人で行き『新しい学校を見にいくよ』と言って理解させました。下の子は当時4歳だったので、最後まであんまり理解はできてませんでしたね。 本当は子どもの気持ちに耳を傾けたりしたほうがいいのかもしれませんが、私自身が親の都合でアメリカに渡り、順応できた経験があったので『子どもは強い!』を信じて、突き進みました」