【バレー】視線はオリンピックの先へ 男子日本代表B 高橋慶帆&麻野堅斗、スタッフインタビュー
「妥協せず、選手と一緒に」永野健コーチ
――このチームを指導して オリンピックメンバーの発表までは、彼らにもチャンスはありましたし、そのモチベーションを持ちながらやってくれたと思います。メンバー発表が終わり、次のオリンピックに向けては彼らが主役といいますか、主体になっていくメンバーだと思うので、そこをどうにかレベルアップできればと思いながらやっています。このチームに入って3年目になりますが、今までの選手、新しい選手、僕もやりがいを感じていますし、まあかわいくてしょうがないですけど(笑) いろんな考えを持った選手たちなので、僕も勉強させてもらっています。 ――永野さんも新たなステージ(大阪ブルテオンのコーチ)へ 新たな人生を自分で決めたので、どこまでいけるか。先のこと、今後はどうなるかわからないですが、自分の得てきたものをしっかり、教えていければいいと思いますし、上を目指して僕自身も妥協せず、選手と一緒になってうまくなっていければいいなと思います。 ――ファンの皆さんへ 現役生活は終わりましたが、皆さんの熱い声援のおかげでこの17シーズン、しっかりやれたので、感謝しかないです。今、自分にできることは指導者として経験を伝えることだと思うので、また新たな目で応援していただけたらうれしいです。
「Aチームに取って代わる新しい力に」真保綱一郎監督
――このチームのミッションについて 昨年のアジア競技大会のような大きなターゲットはなく、7月13日から開催される韓国での招待試合をもって、今季の活動は締めくくりとなります。岩手でドイツ代表と試合をして、NTCではエジプト代表と3試合対戦し、3つ勝ちました。選手もいい経験を積めているかなと思います。パリオリンピック後を見据えての次世代、(高橋)慶帆や麻野(堅斗)。大宅(真樹)もそうです、年齢は関係ないですからね。今の日本代表は非常に強いですが、新しい力は必要です。ロサンゼルスオリンピックに向けて、各ポジションに1人以上、取って代わるような選手が出てきたら、さらに代表のレベルも上がっていきますね。 ――高梨健太選手や大宅選手をネーションズリーグへ送り出し、あるいは受け入れました 選手としてもチームとしてもコンディション、メンタリティーをコントロールする難しさはあったかと思います。2人とも前向きに、こちらの活動でもしっかり引っ張ってくれました。つらい部分はあったと思いますが、去年からリーダーシップを発揮してくれている。今回のオリンピックメンバー入りはなかったですが、しっかりとした考えを持ってバレーボールに取り組んでいるので、チャンスは必ずあると思います。 ――選手層も厚みを増しています 岩手でのドイツ代表との試合、敗れはしましたがフルセットに持ち込みましたし、2試合目は1-3でしたが、ゲームはしっかりつくれていました。エジプトとのゲームではしっかり勝ちました。昨年は欧州遠征、イタリアや北マケドニア、モンテネグロなどと対戦しましたが、彼らは欧州のベスト8程度の位置にあります。そういったチームにも勝てているということは、B代表の選手たちが相当力をつけていることの証明だと思います。今までであれば、そのような海外での経験ができていたのはA代表の14名だけでした。それが今は、倍近い数の選手が海外遠征や国際試合の経験を積めている環境にあります。オフシーズンにクラブチームを離れて、代表チームとしてレベルの高い選手が集まって質の高い練習を行い、各国代表レベルのチームと戦える。そういう経験ができています。 ――国内ではSVリーグも始まります 日本に来る外国人選手の名前を聞いていると、すごいリーグになるんじゃないかなと実感しますね。そのなかでは、代表選手であっても常に試合に出られるとは限らないケースも出てくるでしょう。しばらくは激動のシーズンが続くかもしれません。海外に出ていく日本人選手もさらに増えるでしょうし、特にアウトサイドヒッター、オポジットの選手にとっては厳しい環境になるかもしれませんが、日本代表にとってもいい影響が出てくることを期待しています。 取材/泊 亜希子
月刊バレーボール