「演歌界に自分なりの色を出したい」…追悼「歌手の小金沢くん」こと小金沢昇司さんが叶えたかった夢
演歌歌手の小金沢昇司(こがねざわ・しょうじ)さん(本名同じ)が1月11日、神奈川県内の病院で呼吸不全のために死去したことを所属レコード会社が発表した。65歳だった。 【元気だった小金沢さん】すごい!夜の歌舞伎町を美女と歩く小金沢昇司さん 「ほとんど無名だった彼の名前を全国区にしたのは、’92年8月から放送されたコマーシャルがキッカケでした。ノド用スプレー『フィニッシュコーワ』のCMで『歌手の小金沢くん』と紹介され、その年の流行語大賞銀賞を受賞しています」(芸能事務所関係者) フィニッシュコーワは、それまでの数十倍を売り上げ、同年5月に発売されたCD『おまえだけ』は30万枚をこえる大ヒットとなった。それまで、地方の営業が主な活動だった彼の生活も一変。1日でテレビ番組3~4本に出演し、その合間に5~6本の取材を受け、眠る暇もなくなったという。’08年12月、本誌が彼に行ったインタビュー取材では、当時のことをこのように述懐していた。 「嬉しい反面、これではいけないと思うようになりました。僕はデニムやジーンズ姿が多かったのですが、番組スタッフや取材相手から『なぜ着物を着ないんですか』とよく聞かれたんです。演歌歌手への偏見が強いなと感じました。それからは、この偏見を壊すため自分の好みの格好で出演し続けています」 そう語り、 「演歌界に自分なりの色を出したい」 と、夢を語っていたのだが…。そのキャリアに翳りが見え始めたのは、『北島音楽事務所』を独立し、個人事務所を立ち上げた’14年からだった。 「事務所の設立資金を複数の知人から借りていました。彼はギャンブル好きで、若手時代から借金がたまっていたんです。他にも数百万円の不動産詐欺にあったり、化粧品ビジネスに失敗したりなど、借金は数千万円にのぼったそうです。 地道に地方営業をこなし、返済していましたが、コロナ禍で生活が一変してしまった。営業はほぼ中止になり、収入は8割減。借金返済のために生活は厳しかったようです」(小金沢さんの知人) 借金苦を紛(まぎ)らわすために深酒をして、アルコールが抜けないまま運転をしてしまったのだろうか。’20年11月28日、警視庁は酒に酔って車を運転し、信号待ちをするトラックに追突したとして、彼を道交法違反の疑いで逮捕した(後に不起訴処分)。 この時以降、芸能活動を自粛。以来、人前で歌うことはなかったそうだ。 歌手生活35周年の節目に65年という早すぎる生涯を閉じた小金沢さん。ご冥福をお祈りいたします。
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