増える「空き家」 にぎわう街に“再生”!【WBSクロス】
その和田代表は新たなプロジェクトを始めていました。向かったのは、大阪府堺市。築240年ほどの大きな屋敷を再生させるのです。元々は地元企業の社屋だったという建物です。今、このような再生の依頼が多くの地域から和田代表のもとに来ているのです。 今回依頼したのは、持ち主である地元企業「八木惣」の八木重和社長です。屋敷を再生して、人を呼び込む施設にしたいと言います。 「周辺の地域があまりにも寂しすぎる。何もなくなってしまった。昔はすし店も食堂もあった。今はみんな無い」(八木社長) 和田代表はレストランを核とした複合施設をつくる構想を立てています。 「近隣の人が大阪市内に行くよりも、近所のここのエリアにおいしいものを食べに行こうと思ってくれたら、それだけで活性化になる。そういうイメージがあって、作戦があったら、ちょっと面白いのではないか」(「がもよんにぎわいプロジェクト」和田代表)
神戸でも新たな取り組み
一方、兵庫県神戸市でも、空き家を使った新たな取り組みが始まっています。 神戸市兵庫区梅元町の民家で行われていたのは、スペインの芸術家によるパフォーマンスです。多くの観客が集まったこの家は、元々は空き家でした。周辺の空き家を含め、全9棟を改修して新たな村、「バイソン(梅村)」として再生させたのです。 空き家はアート作品を展示できるギャラリーやアトリエなどに改修。シェアハウスも作り、国内外のアーティストが一緒に暮らしながら作品を発表できる空間を作ったのです。 このプロジェクトの代表で1級建築士の西村周治さんは、活動する神戸市で空き家が増えていることに危機感を感じているといいます。 「家は人がいないと死んでしまう。そこにもう1回命が宿るというか、人が使うことによって家がまたよみがえる」(西村代表) そこで始めたのが、空き家を自ら再生できる人材の育成です。8年ほど前から地元の建築学科の大学生などを対象に、空き家の解体を教えてきました。さらに、家を活用したコミュニティ作りのスタート。芸術家の村が誕生したのです。 「アーティストたちがたまに日本に来て、滞在できるようなスペースをつくるとか、単純に『住む』ではなく、いろいろな使われ方をすることが、空き家解消のためにいま必要になっている」(西村代表) ※ワールドビジネスサテライト