「12月以降も現行保険証持参を」 青森県内のマイナ保険証トラブル、5月以降で474件 県保険医協会調査
マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」について青森県保険医協会が行ったアンケート結果によると、回答があった県内286医療機関の約7割に当たる196機関で、今年5月以降計474件のトラブルが確認されたことが分かった。28日、同協会が記者会見を開き結果を公表した。同協会は昨年も同様の調査を行っており、「1年前と同じトラブルが見られシステムが改善されていない」と指摘。トラブルに備え、従来の保険証を持参するよう呼びかけている。 アンケートは8~9月に実施。会員の医療機関(歯科含む)823機関に調査用紙を送り、回答率は34.7%だった。 トラブルの内容(複数回答)は、旧字や外字が正しく表示されないとする回答が最も多く、147件。次いで顔認証がうまくできない、インターネットの不具合など「カードリーダーの接続不良・認証エラー」が115件だった。名前や住所、保険資格情報が誤っていたり、マイナカード本体や電子証明書の有効期限が切れていたケースも多くあった。他人の情報がひも付けられていたとする回答もあった。トラブル時の対応は、従来の保険証を確認するとの回答が7割超で最も多かった。 現行の保険証が廃止(新規発行停止)となる12月2日以降の受け付け業務の見通し(複数回答)については、今も混乱しておりさらに忙殺されると思う-とする回答が172件。「診察の待ち時間が長くなると思う」が140件、「スタッフを増やして対応せざるを得ない」が46件で、「大きな混乱はないと思う」が36件だった。 これらの状況を踏まえ、286機関中251機関(87.8%)が現行の保険証を残す、または廃止を延期するべきだとした。 厚生労働省によると、本県のマイナ保険証の10月の利用率は14.52%。津川信彦会長は「マイナ保険証への一本化は反対ではないが、窓口での問題が多く時期尚早。このまま利用が増えればさらなるトラブルの増加が予想され、患者さんは12月以降もこれまでの保険証を持って受診してほしい」と話した。