「闇バイト」募集、海外に移行? 台湾籍の逮捕相次ぎ、警視庁が警戒
「闇バイト」に応募するなどして来日し、特殊詐欺に関与したとして台湾籍の容疑者が逮捕されるケースが相次いでいる。全国の警察が犯罪に加担する闇バイトに応募しないよう呼びかけるなか、「実行役」の募集の対象が海外にまで広がっている可能性があり、警視庁は警戒を強めている。(藤田大道、三井新) 【写真】警視庁本部=東京都千代田区霞が関2丁目 「とにかく稼げるなら何でもいいと思ったので引き受けた」 男性から金塊をだまし取ろうとしたとして、台湾籍の男(20)ら2人が7日、詐欺未遂容疑で現行犯逮捕された。捜査関係者によると、逮捕の3日前に来日した男はこう供述したという。 警視庁野方署によると、逮捕容疑は3~7日、何者かと共謀して警察官らをかたり、東京都中野区の70代男性に「携帯が詐欺に利用されて逮捕状が発付されている」「国税局に金塊を渡す必要がある」などとうその電話をかけ、男性から金塊をだまし取ろうとしたというもの。 男性は実際に金塊7キログラム(約9千万円相当)を購入したが、不審に思い110番通報して発覚した。 男らはなぜ海を渡って特殊詐欺に関与することになったのか。 ■フェイスブックで見つけた「楽な仕事」 捜査関係者によると、20歳の男が事件に関わるきっかけとなったのは、10月末ごろ、フェイスブック(FB)で「楽かつ手早くできる仕事しませんか」と書かれた広告を目にしたことだった。 広告をクリックすると、匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」の「友だち追加画面」が現れた。相手と連絡を取ると、「外国で手早くお金が稼げます」と母語で言われ、電話番号と名前を伝えたという。 ■1カ月後、「日本に行く準備を」 さらに「大金を支払います。具体的な金額は仕事が終わったら」とも伝えられた。その後、「仕事が入ったら連絡するので別のアプリを入れてしばらく待ってください」と言われたため、アプリをインストールして連絡を待ったという。 1カ月ほど待った今月3日、「明日、日本に行ってもらうので準備してください」と連絡が来た。具体的な説明はなかったという。 同じころ、日本では中野区の男性宅に警察官らをかたった電話が日本語でかかってきていた。
朝日新聞社