深山幽谷の趣き 日本アルプス・クラシックルートの徳本峠越え
コースの大半を占める渓谷
日本アルプスを世界に紹介したウェストンや「河童」の芥川龍之介が上高地を訪れる際に通ったというクラシックルートの徳本峠越え。10月に信飛トレイルの第2区間として復活したので、11月4日に晩秋の渓谷に踏み入ってみた。 【写真】徳本峠越え。沢筋は薄暗いが紅葉の斜面は輝いて見える 島々の集落から上高地まで25キロ近く。コースの大半を占める渓谷は、朝早くからの行動だったこともあり日が差さず、深山幽谷の趣き。わずかだが太陽が照らすと紅葉で一気にはなやぐ。 ただ、整備されたとはいえ、油断してると転落の危険もあるので注意してほしい。 急な登りで息を切らしてたどり着いた峠は冬支度を終えて静か。見慣れたはずの穂高連峰も、歴史に思いを馳せると心なしか立派に見える。 峠を下って訪ねた明神池は、外国人観光客で賑わう。カエデの赤は目につかなくなっていたが、カラマツの黄色と針葉樹の緑のコントラストが美しく晩秋に彩りを添えていた。 梓川を渡る風は冷たさを増してきた。穂高に雪がないのは異例だが、油断は禁物。皆さん、晩秋の登山もご安全に!