借金だらけだった俳優・高橋英樹さんが40年以上初日に確定申告する理由 「毎年2月がお正月」コツは宿題と同じ、ため込まず日頃からやること
―毎年品川税務署で報道陣の取材に応じる姿は、今や確定申告初日の風物詩になっています。 「私の顔を見て、慌てて申告をやりだしたという人の話も聞きます。撮影の現場でも『高橋さんは40年初日申告を続けているんですね。私も行きます』と声をかけてくださる方が結構いらっしゃるんです。そういう意味では少しでもお力になれているのかなというふうに思いますね」 ―2018年には確定申告書の早期提出のPRに長年協力してきた功績を受け、財務大臣表彰が贈られました。 「長年続けてきた演技の仕事では表彰をもらったことないのに、こんな賞をもらっていいのかと思いましたけどね。初めて、納税をしっかりやり遂げてきてよかったなと実感しました。健康で働けないとできないことなので。毎年確定申告初日の午前中には税務署にいるという、緊張感を持てたのがここまで続けられた理由かもしれません。不思議とこの時期は風邪をひかないんですよ」
―2023年は今年の漢字に「税」が選ばれました。インボイス制度の開始や、自民党の裏金問題など、税への関心が高まる昨今の状況をどう考えますか。 「税を納めることは当たり前ですが、どういう使い方をしているのかは一番気になるところです。納税者として、今年1月の能登半島地震のような災害では大いに活用してほしいと思う一方、無駄な税金の使い方をしているのを見ると、ちょっとひんしゅくものですね。国民が豊かになるようにどう使うかが一番大事だと思います。社会のどこかに役に立っていると思えるからこそ、われわれは納税する。これがなかったら、国が成立しませんから。使い道を決める政治家には、税が社会の根幹の部分を担っているという思いをちゃんと持ってほしいと思っています」 ―高橋さん自身は今年80歳を迎えました。今後も初日の納税は続けていきますか。 「さすがにもう年齢も年齢ですし、正直しんどい思いもあります。でもこの歳になるまで現役で働いて、申告できることのありがたみを感じ、健康でいてよかった、頑張ってきたかいがあったなと思います。仕事をいただけたら一生懸命頑張って、そしてまた来年の初日には申告する流れがこれからも続いていったらいいと思っています」
―毎年どうしても期限ぎりぎりの申告になってしまう人も多いと思います。改めて初日申告を続けるコツと良さを教えてください。 「コツは、宿題と一緒でためずに、日頃からやることがおすすめです。皆さんもそうだと思いますが、2月から始めると作業が大変で、年度末で他の仕事が忙しくなったりするんですよ。だからなるべく普段から隙を見てやっていくということが大事だというふうに思います」 「納税というのは国民の義務ですから。しっかり申告して納税することは社会の一員として存在感を高められる行為だと思います。そしてこれを初日にすると気持ちよさが半端ない。ぜひこの爽快感を一度味わってほしいですね」