〈奥能登豪雨〉仮設泥まみれ「とても住めない」 輪島、珠洲 途方に暮れ後片付け
雨が上がった22日午後、輪島市内では、被災者が自宅の後片付けを進めた。床上浸水の被害が出た宅田町の仮設住宅団地では、住人が悪臭に眉をひそめながら貴重品などを持ち出し、「とても住めない」と今後の暮らしに不安を募らせた。 【写真】住宅に流れ込んだ土砂を掻き出す住民=22日午後3時10分、珠洲市上戸町南方 同町の仮設住宅に住む東野光雄さん(62)は、室内が高さ約60センチまで水につかり、床は泥だらけに。親戚の家に住まわせてもらうことになり、引っ越しのため布団などを車に積んだ。 東野さんは鳳至町の自宅が元日の地震で半壊、仮設住宅に移ったばかりで、次女の綾乃さん(34)は「地震後に新しく買いそろえた物が全部なくなり、ショックが大きい」と涙ぐんだ。 橋本直樹さん(74)は妻の香代子さん(69)とともに仮設住宅に戻り、「泥を拭いても生活できない」と途方に暮れた。2人は小学校の避難所に身を寄せており、香代子さんは「また避難所で生活するとは思わなかった」と話した。 珠洲市でも、上戸小グラウンドにある仮設住宅が床上浸水した女性(65)が拭き掃除に追われ、「こんなひどいことになるなんて」とこぼした。珠洲市宝立町柏原の仮設住宅に20日に入居したばかりで床下浸水の被害に遭った会社員男性(55)も「地震と水害のダブル被害でショック。かびが心配だ」と顔を曇らせた。