英高級誌の分析「ハマス最高幹部の死」から中東全体の緊張緩和に至る細い道筋はある
イスラエル軍は、ガザ地区でイスラム組織ハマス最高幹部のヤヒヤ・シンワルを殺害したと10月17日に発表した。シンワルは、昨年10月7日のハマスによるイスラエル奇襲の首謀者と目されている。前最高幹部のイスマイル・ハニヤが今年7月末に訪問先のイランで殺害されて、トップの座に就いた人物だ。 シンワルの死は、イスラエルとハマスの戦争、そしてそこから飛び火しているレバノンやイランとの紛争にどう影響するのだろうか。 英誌「エコノミスト」は、シンワルが画策した10月7日のイスラエル奇襲により中東の運命が変わってしまったが、彼の突然の死によって、この地域の運命はまた揺さぶられることになるだろうと分析する。 【動画】イスラエル国防軍が公開した「シンワルの最期」を捉えたとされるドローン映像 その死により、ハマスは指導者のいない状態になり、ガザにはこれまであった形だけの自治さえもなくなる。一方、イスラエルは、シンワルの死をもって、この戦争のおもな狙いのひとつがようやく、多大な犠牲と引き換えに達成されたと主張できるだろうと同誌は書く。 これらすべてが重なって、これまでは望み薄だった、ガザでの停戦と人質解放の可能性が高まるとも同誌は論じる。 そしてそうなれば、中東全体の緊張緩和に至る細い道筋はある──たとえ、レバノンでの戦争が激化し、イランのミサイル攻撃に対するイスラエルの報復攻撃が間近に迫っているとしてもだと同誌は述べている。
COURRiER Japon