兼六園で雪づり始まる
兼六園で1日、湿った雪の重みから木を守るため枝に縄を張る「雪づり」の作業が始まり、国内外の観光客は庭師の機敏な動きに見入った。 作業は園内随一の枝ぶりを誇る「唐崎松」から開始。庭師らが高さ約14メートルの柱に登り、縄を投げ下ろして枝に次々と結び付けた。 東京都世田谷区から姉妹で来た原佐和子さん(58)は「今日から始まるとは知らなかったが、貴重な瞬間に立ち会えて感動した。縄を使っていることに驚いた」と熟練の技に見入り、ベルギーから旅行で石川県を訪れたジュイシー・ロスウさん(54)は「日本人の技はすごい。かっこいい」と声を弾ませた。 作業は12月中旬まで続き、マツやツツジなど園内の800カ所以上で実施する。重さ計約4トン、長さ計約120キロに上る縄を使い、延べ約500人が作業に当たる。木々を縄で円すい状に包んだ風景は来年3月中旬まで楽しめる。